約4人に1人の子どもに口腔機能発達不全症

2026年8月4日 公開

硬い食べ物を好む子どもでは有病率が低いことを明らかに

ポイント

  • 地域在住の5~7歳児を対象とした調査で、約4人に1人が口腔機能発達不全症に該当することを明らかにしました。
  • 硬い食べ物を好む子どもでは、口腔機能発達不全症の有病率が低いことを示しました。
  • 子どもの口腔機能の健全な発達には、食事の「食感(硬さ)」に着目した食育や口腔保健指導の重要性を示す成果です。

概要

東京科学大学(Science Tokyo)医歯学総合研究科 高齢者歯科学分野の金澤学教授と濵洋平講師らおよび株式会社ロッテ 中央研究所 噛むこと研究部の川村淳氏らの研究チームは、地域在住の5~7歳児92名を対象に、口腔機能発達不全症[用語1]の有病率と食習慣との関連を調査しました。

近年、子どもの口腔機能発達不全症の増加が指摘されていますが、一般の子どもを対象とした実態調査は限られていました。本研究では、調査に参加した子どもの約4人に1人が口腔機能発達不全症に該当することが明らかになりました。さらに、硬い食べ物を好む子どもでは、口腔機能発達不全症の有病率が低いことが示されました。一方、硬い食べ物を食べる頻度と口腔機能発達不全症との間には、関連は認められませんでした。

本研究成果は、子どもの口腔機能の健全な発達には、食事量や栄養バランスだけでなく、食感(硬さ)にも着目することの重要性を示すものです。今後は、口腔機能の発達を促す食育や口腔保健指導の発展につながることが期待されます。

本研究成果は、5月15日(現地時間)付の「Journal of Oral Rehabilitation 」誌に掲載されました。

図1. 5~7歳児における口腔機能発達不全症と食習慣との関連

研究成果

近年、食べる・飲み込む・話すなどの口腔機能の発達が十分でない状態を指す口腔機能発達不全症の子どもが増えているとされています。しかし、一般の子どもにおける有病率や、食習慣との関連については十分に明らかになっていませんでした。

地域在住の5~7歳児92名を対象に調査を行った結果、約4人に1人が口腔機能発達不全症に該当することが明らかになりました。また、硬い食べ物を好む子どもでは、口腔機能発達不全症の有病率が低いことが示されました。一方、硬い食べ物を食べる頻度と口腔機能発達不全症との関連は認められませんでした。

社会的インパクト

本研究は、子どもの口腔機能の健全な発達には、栄養バランスだけでなく、食事の「食感(硬さ)」にも着目することが重要である可能性を示しました。今後の食育や口腔保健指導に新たな視点を提供する成果として期待されます。

今後の展開

本研究は横断研究であるため、今後は長期間の追跡調査や介入研究を通じて、食習慣の改善が口腔機能の発達に与える影響を検証します。さらに、小児期からの口腔機能の健全な発達を支える科学的根拠の構築を目指します。

用語説明

[用語1]
口腔機能発達不全症:食べる・話す・呼吸するなどの口腔機能が、年齢に応じて十分に発達していない状態。子どもの健やかな成長に影響を及ぼす可能性があり、歯科で専門的な評価や支援が必要となることがある。

論文情報

掲載誌:
Journal of Oral Rehabilitation
タイトル:
Evaluation of Oral Function Development and Eating Habits in Children Aged 5–7 Years
著者:
Jun Kawamura, Susumu Kanno, Teppei Shintani, Misaki Matsui, Yuriko Komagamine, Hitomi Soeda, Anna Miyayasu, Maiko Iwaki, Shunsuke Minakuchi, Yohei Hama, Kazuto Okabayashi, Manabu Kanazawa

研究者プロフィール

金澤 学 Manabu Kanazawa

東京科学大学 医歯学総合研究科 高齢者歯科学分野 教授
研究分野:歯科補綴学、老年歯科学

濵 洋平 Yohei Hama

東京科学大学 医歯学総合研究科 高齢者歯科学分野 講師
研究分野:歯科補綴学、老年歯科学

研究者写真

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東京科学大学 医歯学総合研究科 高齢者歯科学分野
講師 濵 洋平

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