教育の特長
本学は、世界最高水準の研究の中に学生を招き入れ自ら学び考える教育を推進します。専門教育はもちろんのこと、リベラルアーツや汎用性スキルを磨く教育により、社会とともに新たな価値を創造する力を育みます。
理工学×医歯学 融合の学び
本学では、理工学・医歯学の中の一つの専門性を深めるだけでなく、両方の領域を横断する異分野交流による活動を通じて、新しい価値を創造することができる力を身に付けることができます。これにより、今までにない新しいキャリアの開拓を実現します。
専門科目での学び「医歯理工融合教育」
理工学系の学生が医歯学系の科目を、医歯学系の学生が理工学系の科目を、それぞれ体系的に学び、異分野間の交流と協働を経験する教育プログラムを、2025年4月に学士課程、大学院課程の両方に設置します。この新世代の学びを武器にして、難病やパンデミックに立ち向かい、世界にイノベーションを発信して、科学で善き未来社会を切り拓くことを目指します。
学士課程「医歯理工融合プログラム」
理工学系と医歯学系を融合した、学士課程の全学教育プログラムとして、「医歯理工融合プログラム」を2025年4月に設置します。自身の専門とは異なる分野の基礎知識や研究スキルを学修し、複数の専門分野を融合した高度な研究開発を実施できる課題探求型の研究者、技術者、医療者の下地を創ります。
大学院課程「人間医療科学技術コース」
人間医療科学技術コースは、医歯学と理工学が融合した大学院教育コースとして、2025年4月に開講します。人を深く理解し、持続的な安心・安全社会の実現を志すグローバルプロフェッショナルを育成します。理工学系は、学位プログラムとして、医歯学系は、特別専門学修プログラムとして設置します。
理工学系と医歯学系の垣根を越えた授業科目の相互履修
理工学系学生と医歯学系学生とが、学生自身の興味・関心、時間割などの都合に応じて、それぞれに開講する授業科目を相互に履修することができます。相互履修は、原則、2025年4月から開始します。
教養科目での学び 「大岡山Day」
理工学系と医歯学系の学士課程の新入生全員が、入学直後の2ヵ月間、週に1日、大岡山キャンパスに集う「大岡山Day」を2025年4月から開始します。そこでは、学院や学部を交えた少人数グループで意見を交換して学ぶ「立志プロジェクト」などのユニークな授業を通して、分野の異なる学生と垣根を越えて交流します。「大岡山Day」は生涯の友人との出会いを支援します。
課外活動での学び 「サークル活動」
運動系、文化系、技術系、医療系。120団体を超えるユニークで多彩な部・サークルにキャンパスを越えて参加できます。チームで目標を高く掲げて取り組む活動があり、学生個人の関心を極める活動もあります。大学は学生生活を豊かにする課外活動を応援します。
理工学系の特長
各学院では、科学・技術の面白さや奥深さ、あるいは、科学・技術には社会を変える力があるのだ、ということを感じ取りながら、自ら学び考える力、創造力や表現力等、将来の夢に向かって必要な力を育むカリキュラムを用意しています。
このカリキュラムにより、専門分野を究めることに加え、関連する分野やその社会的な背景や関連性も学修できます。そして、周囲と協調あるいは切磋琢磨しながら、リーダーとなる素養を持った大人に成長し、自信を持って社会・世界に羽ばたくことができます。
「一貫教育」と「くさび型教育」
学修一貫・修博一貫のカリキュラム
「将来、科学・技術の力で世界に貢献するため、学生が自ら進んで学び、鍛練する“志”を育てる」ことができる独自の教育カリキュラムを構築しています。
特徴
学士課程と修士課程、修士課程と博士後期課程の教育カリキュラムが継ぎ目なく学修しやすく設計された「学修一貫・修博一貫」の教育体系です。(※)
- 学士課程及び大学院課程を一貫とした専門分野教育プログラムを実施します。多くの学生が大学院へ進学する現状に即して、上位課程との学修のつながりや学修内容を分かりやすく示します。
- 意欲と能力のある学生は、学士課程で修士課程の、修士課程で博士後期課程の科目を先行して学修できます。
この教育体系によって、学生は入学時から大学院までの出口を見通すことができるので、自らの興味・関心に基づく多様な選択・挑戦が可能になります。
くさび型教育
くさび型教育とは
学士課程から博士後期課程まで、教養教育と専門教育を有機的に関連させ、知識や能力をスパイラルアップさせる教育です。入学直後から専門科目を教養科目と織り交ぜながら学修し、徐々に専門科目が増えますが、卒業・修了まで継続的に教養科目群(アントレプレナーシップ科目を含む)を履修します。
なぜくさび型教育か
高い見識と倫理観、確かな専門学力、自由な発想力や創造力、そしてこれらを統合し、実践する力が身につきます。最先端の理工系専門知識を修得し、理工系学問の社会的意義についての理解を深め、人間形成と幅広い価値観を涵養します。
- 修士課程、及び博士後期課程には他大学からも入学することができます。また、学士課程から修士課程に進学するには入学試験に、修士課程から博士後期課程に進学するには進学の審査に合格する必要があります。卒業・修了した課程と違う分野に進むこともできます。
標準的学びのモデルと11の特徴
特徴1 学士課程初年度教育
特徴2 教養教育
特徴3 アントレプレナーシップ教育
特徴4 柔軟な学修 ~系とコース~
特徴5 クオーター制
1年間を4つの期に分けて学修するクォーター制を導入しています。
学士課程3年目の第2クォーターは「必修科目」がないため、第2クォーターと夏休みを利用して、留学しやすくなります。
- 一科目を短い期間で集中的に学ぶことで学修効果を高めることができます。
- 履修計画を柔軟に組むことができ、授業履修等に影響なく留学やインターンシップが実施可能となります。
- 複数のクォーターで同じ科目が開講される機会が増えるため、学生ごとの学修の速度に細やかに対応できます。
- 海外の多くの大学と学期の開始時期が共通となるため、留学しやすく、また海外からの留学生も積極的に受け入れることができます。
特徴6 達成度評価
「何をどれだけ学んだか」を評価し、達成度によってステップアップします。科目別達成度、学修達成度、及び最低基準を上回る取組みを評価し、確認する仕組みです。
また、理工学系教育ポリシー(養成する人材像、修得する能力)等を踏まえ、卒業・修了生として身に付けておくべき5つの力(“学生が身に付ける力”)を設定しています。専門科目群や教養科目群における体系的な学修、そして、卒業・修了要件となる学士特定課題研究(学士課程学生)及び講究/研究論文の作成(大学院課程学生)を通じて、卒業・修了するまでにこの力を身に付けることができるようになっています。
- 学生がメリット・デメリットを理解した上で、達成度に応じて主体的に進路を選択します。アカデミック・アドバイザーが学修ポートフォリオ等の情報を基に助言します。
- どのように学び、どのくらい達成しているかを自らチェックしながら学修していくことで、自己を見つめ直すことにもつながり、今後の目標や必要な修得知識の明確化を図ることができます。
- 意欲と能力があり、達成度がクリアできれば、先の学修へ進めます。
特徴7 国際的教養力を育てる
「科学・技術の力で世界に貢献する人材」には、国際的な経験が必須であるため、「留学・国際経験」と「英語による教育」を重視しています。
留学・国際経験
学生には、修士課程修了までに留学または、国際経験を強く推奨しています。
留学先である協定大学を増やしたり、プログラムを増やしたり、語学の講義を必修したり、留学生と学ぶ機会を増やしたり、留学等に向けた支援体制を充実させています。
英語による授業
英語による授業の充実に取り組んでおり,大学院課程の専門科目の90%以上を英語で実施しています。
特徴8 学生サポート
教員がアカデミック・アドバイザーとして、学士課程入学時から卒業・修了まで学生一人一人を担当します。学生の成績や履修状況等を考慮しながら相談や指導を行い、学生が作成する学修ポートフォリオを参照し、将来の夢や今後の学修計画の実現をきめ細かくサポートします。特に、大学生活に不慣れな学士課程入学1年目には、セミナー又は面談等を通して、高校と大学の違いを含め、大学における学修方法や大学生活に関してサポートします。
特徴9 研究力による教育
世界的な研究を行っている先生から直接教育を受けられます。日々の授業はもちろんですが、研究室での教育は格別です。
研究室で行う科目を紹介します(※印 標準的な在学期間で卒業する場合に履修する時期)。
「研究プロジェクト」(学士課程3年目※)
複数の研究室で研究体験を行う必修科目です。異なるキャンパス、もしくは異なる分野から研究室を選択します。それぞれの研究室の研究内容や個性を知り、研究室の教員や大学院生等に教えてもらいながら、研究体験します。自分がやりたい研究テーマはどこにあるのか、探すことができます。
「学士特定課題研究」(学士課程4年目前期※)
研究室に所属して特定の課題を研究し、卒業論文を作成する必修科目(2クォーター期間)です。大学で研究していることを実感できるのが、この「学士特定課題研究」と言えるでしょう。研究室には、教員はもちろん、修士課程や博士後期課程の大学院生、留学生、ポストドクター等の若手研究者等、研究に秀でた多様な人材が集まっています。切磋琢磨しながらたくさん学び、充実した研究環境で研究課題を探究していく楽しさを味わうことができます。
「学士特定課題プロジェクト」(学士課程4年目後期※)
「学士特定課題研究」を終えた後に受講する科目です。基本的には、「学士特定課題研究」を実施した研究室で、その研究課題を更に掘り下げたり、あるいは別の課題に取り組んでみたり、修士課程への進学が決まっている場合は修士課程での研究課題の準備をしたりするなど、研究を進化させ、幅を広げることができます。
「講究科目」(大学院課程)
大学院課程では、講究科目を履修します。講究とは、物事を深く調べ、その意味や本質を解き明かすことです。そのため、講究科目は、分野や研究室によって様々な手法がとられます。指導教員による指導のもと、学生自身が研究に関して知見を養うため、論文を読んだり、ディスカッションを行ったりするのが一般的です。複数の教員から研究への示唆が得られたり、研究テーマの異なる学生同士の議論から新しい視点を得られたりして、自分の研究が深まっていくことが醍醐味です。
特徴10 データサイエンス・AI全学教育プログラム
特徴11 最高の教育環境
早期卒業・短縮修了モデル
意欲と能力のある優秀な学生は、早期に次のステップに進みやすいカリキュラムです。
学士課程入学から博士後期課程まで、最短で6年間(標準的な在学期間では9年間)で修了できます。
学士課程から博士後期課程までを7年間で修了する例
多様な将来像
医歯学系の特長
医療技術が日進月歩で進化を遂げる中、本学では、国立大学の中で最古の歴史を持つ歯学部、国立大学では初めての保健衛生学科の設立など、常に医歯学教育・研究のパイオニアとして歩んでまいりました。その経験をもとに、医学・歯学の領域において、世界を舞台に活躍できる人材、さらには幅広い教養と豊かな人間性、高い倫理観、自ら考え解決する創造性と開拓力、国際性と指導力を備えた人材を育成するため、優秀な教員と最高の設備、そして世界水準の特色あるカリキュラムを築き上げております。
多職種連携教育
AIが活躍する未来医療においても、コミュニケーションや、知識、体験、価値観を総合した多職種連携は人間にしかできないと考えられています。
本学では、多職種での連携を学生時代に体験する機会として2012年度から「チーム医療入門」、2020年度からは「チー
ム医療導入」をスタートし、患者中心の医療を学ぶ双方向型授業を行ってきました。
現在、これまで全学で取り組んできた多職種連携教育を各学科専攻の科目の中で共通の取り組み(多職種連携I、II、III)と
する方向性が示されています。
グローバル教育
複雑な世界規模の保健医療問題の解決に果敢に挑み、世界の健康レベル向上に貢献する人材を育成するため、グローバルヘルスリーダー養成プログラム、国際交流プログラムや海外派遣前教育などを提供しています。
教養教育
国際的に通用する医療人の基盤となる、さまざまな文化や多様な世界を理解できる幅広い教養と、他者を理解するための豊かな人間性と倫理観、自ら問題提起し解決する創造力を兼ね備えた人材を育成します。
医療系データサイエンス・AI教育
医学・歯学分野における数理・DS・AI教育のモデルカリキュラム・教材を開発し、本学のカリキュラムに組み込むとともに全国の医学部、歯学部へ普及・展開することを目指しております。
各専門教育
医歯学系は、医学部医学科、医学部保健衛生学科、歯学部歯学科、歯学部口腔保健学科、そして、大学院医歯学総合研究科と大学院保健衛生学研究科、さらに、生体材料工学研究所と難治疾患研究所を擁しており、癒しの心と科学的視点を持った医師、歯科医師、看護師、臨床検査技師、歯科衛生士、歯科技工士の育成は勿論のこと、医療・生命科学領域の研究・学問体系の構築を図りながら、卓越した医療人・研究者の養成に努め、広く人々や社会に貢献することを目指しています。
医学部
歯学部
大学院教育
統合先制医歯保健学
統合先制医歯保健学とは、個々人のゲノム・エピゲノム情報とリアルタイムカルテ情報の統合的データベースや生活習慣、環境因子情報を一括的に収集・管理して、データマイニングにより解析し、先制医療を提供するための学問体系を指します。
この先制医歯保健学を推進するため、大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻(博士課程)に先制医歯理工学コース(バイオインフォマティクスプログラム)、生命理工医療科学専攻(博士(後期)課程)に先制医歯理工学コース(先進医療デバイスIoT学プログラム/疾患生命創薬科学プログラム)、医歯理工保健学専攻に先制医療学コースをそれぞれ設置しております。
1.先制医歯理工学コース
様々な領域の研究者・専門家が連携して、疾患に関わる種々のオミックスデータを収集し、それらを統合的に解析して、疾患メカニズムの包括的理解に基づく健康管理アルゴリズムを開発し、さらには社会実装を目指す統合先制医歯保健学の推進に資する人材育成のため、医歯学専攻と生命理工医療科学専攻をまたがる形で「先制医歯理工学コース」を設置しています。
2.先制医療学コース
超高齢社会の我が国において医療費の高騰による国民負担を軽減することが社会的な要請であり、その意味において先制医療は疾患の「入口」に入らせない門番役として非常に大きな役割を果たします。近い将来、個々人のゲノム・エピゲノム情報、リアルタイム電子医療情報に加えて、センシング技術の進歩とともにリアルタイムでの生活習慣、環境要因関連情報を統合的に収集し「医療ビッグデータ」を構築して、種々のデータマイニング技術を開発して解析し、その解析結果を基に個別先制医療が実現されると考えられます。これらの大きな社会的環境変化に対応する人材を育成するため、先制医療学コースを設置しています。
Master of Public Health in Global Health (MPH) course
地球規模の保健医療の課題を解決するため、疾患予防に主眼を置き、疾患をとりまく社会的要因や保健医療システム、国民皆保険、さらに気候変動や大気汚染等の国境を越える要因を同定し対策を講じるため、1. グローバルな視点に立って人類共通の健康課題に対して効果的かつ効率的な予防戦略を立案できる人材、2. 多様な専門家と同じ目標に向かって協働でき、住民の理解を得ながら社会実装できる人材を養成します。
学びを支える環境
(医歯学系)教務課 湯島教務室総務グループ