Visionary Initiatives―科学の力で、未来を拓く
VIトピックス
Visionary Initiatives とは
東京科学大学(Science Tokyo)は、善き未来をビジョンとして掲げ、その実現に向けた新たな研究体制「Visionary Initiatives(VI:ビジョナリーイニシアティブ)」を2025年4月より全学に導入しました。VIは現行の医学、歯学、理学、工学、情報学、リベラルアーツなど分野別縦割りの研究体制を、分野横断型へと大きく変革する仕組みです。
Science Tokyoは、実現を目指す社会変革の姿を「善き生活」「善き社会」「善き地球」の3つのビジョンとして定めました。VIはこれらのビジョンに向けたイニシアティブ(戦略構想)を推進するための新しい組織体制であり、今後、大学院教育も連動させていきます。
これまで統合で掲げてきた医工連携など融合研究を加速し、VIを通じて社会の多様な組織とともにイノベーション創出の新たなエコシステムを構築していきます。
Science Tokyoの8つのVisionary Initiatives
3つのビジョン「善き生活(Better Life)」「善き社会(Better Society)」「善き地球(Better Planet)」のもとで、計8つのVIを定めました。本学に所属する研究者は、そのビジョンに共鳴するいずれかのVIを担当し、各VIの研究統括者(PD:プログラム・ディレクター)と共に、研究を推進します。
善き生活:真に豊かな人生を実現する
- Total Health Design「科学はすべての人の健康と福祉のために」PD:石川文彦
- Well-Vitality「各人が多様でこころ豊かな人生を実現する」PD:黒田公美
- Future Intelligence 「未来の知性と社会の礎を築く」 PD:淺原弘嗣
善き社会:新たなフロンティアを開拓する
- Innovative-Life Society「サイバー・フィジカル空間で共創社会を開拓する」PD:阪口啓
- Space Innovation「宇宙と生命の真理を探究し、宇宙生活圏を開拓する」PD:関根康人
- Materials-Positive Society 「モノの進化をポジティブな社会の原動力に」 PD:猪越正直
善き地球:持続可能な地球を実現する
- GX Frontier「グリーントランスフォーメーションで持続可能な未来を実現する」PD:後藤美香
- Resilience-Tech Society「災害・パンデミックにレジリエントな社会を実現する」PD:鼎信次郎
善き生活:真に豊かな人生を実現する
Visionary Initiative: Total Health Design
Total Health Design: PDからひとこと
この10年を振り返っても、科学技術は、私たちの生活を大変豊かで便利なものにしてきました。一方、医療の現場にて、未だ助けることのできない命があることも事実です。私は、白血病を専門として臨床・研究に従事し、現在の医療で助けることのできない患者さんたちを助ける治療開発の鍵は、分野を超えた連携と世代を繋ぐ「助けてみせる」決意だと信じています。歴史的モメンタムを迎えたScience Tokyoには、患者さんに寄り添う温かさと分野のプロフェッショナルとしての鋭さが両立しています。私たちは、「Total Health Design」のもとで、すべての人の健康とウェルビーイングの実現に向けて、共に歩んでまいります。
Visionary Initiative: Well-Vitality
Well-Vitality: PDからひとこと
すべての人は小さな赤ちゃんとして生まれ、身近な人々に見守られて大きくなります。大人になれば職場や家族、地域の人々と支えあいながら生活し、年老いていきます。ライフステージにより、人によりさまざまに変化する「こころ豊かな暮らし」をサポートするために、私たちのVIには、幅広い分野の研究者が集まっています。たとえば、脳機能の加齢による限界の拡張、運動が苦手な人でも楽しくスポーツで心身を育める先端技術など、多彩です。私は脳科学と情報工学による育児支援の研究に取り組みます。こうした多様な研究の力を結集し、本イニシアティブが描く未来の実現を目指します。是非ご期待ください。
善き社会:新たなフロンティアを開拓する
Visionary Initiative: Innovative-Life Society
Innovative-Life Society: PDからひとこと
AI・量子・ロボティクスなどの科学技術の飛躍的な発展により、私たちは今、超スマート社会への扉を開こうとしています。そこでは、フィジカル空間とサイバー空間が高度に融合し、人とAI・ロボットが協働することで、これまでにない産業や価値が創出されます。本VIは、科学技術を駆使して実現される未来社会のあるべき姿を、「食」「産業」「都市」「ヘルスケア」など、人々の暮らし全体を見渡す壮大なビジョンとして描き出します。このビジョンに共鳴する研究者たちが社会と共創することで、持続可能な経済成長と産業創出、健康で豊かな食文化と安定した食料供給、交通事故ゼロを目指す自動運転社会、そして誰もが100歳まで活躍できる社会、そんな未来を、実現していきます。
Visionary Initiative: Space Innovation
Space Innovation: PDからひとこと
古来、人類は宇宙を知ることで世界観を獲得し、自分が何者かを考えてきました。現在、宇宙の創世や地球外生命まで科学が及ぶ一方、人類は生活圏を月火星に拡大しようとしています。後者のことは、生物の陸上進出に匹敵する宇宙人類への進化とも言えます。「宇宙生活圏の開拓」をビジョンに掲げる我々は、“どうやって”宇宙で生活するかという技術だけでなく、“なぜ”人類は宇宙に進出するのかという意義も探究します。人類は月火星を開拓してどのような新社会を創るでしょうか。また、地球外生命の発見は、我々の生命観をどう変えるでしょうか。我々はこのような宇宙でのイノベーションをリードし、その価値を地上の人々に還元します。
善き地球:持続可能な地球を実現する
Visionary Initiative: GX Frontier
GX Frontier: PDからひとこと
私の専門はエネルギー経済学です。クリーンで十分な量のエネルギーを効率よく利用するための技術の開発には、工学や自然科学分野の研究成果が役立ちます。そして、新たな技術が社会に応用され多くの人々が恩恵を受けられるようにするために、経済システムや社会システムの研究が役立ちます。Science Tokyoには、これらの幅広い科学技術研究において実績のある研究者が沢山います。私たちのVIでは、多様な研究者の力をビジョンの共有によって結集し、地球と調和しながら人々が健康で快適に暮らせる世の中のために、グリーントランスフォーメーションのフロンティアを切り拓きます。
Visionary Initiative: Resilience-Tech Society
Resilience-Tech Society: PDからひとこと
(2026年4月1日、PDに着任)
日本は自然災害の多い国であり、地震や津波に加え、気候変動に伴う洪水や干ばつなど、水をめぐるリスクも深刻化しています。さらに、感染症の拡大や社会システムの障害など、私たちを脅かす危機は多様化し、複雑さを増しています。いま必要なのは、災害や感染症にとどまらず、あらゆる危機を包括的に捉えるオールハザードの視点から、分野や国境を越えて知を結集し、人々の命と暮らしを守る仕組みを築くことです。本VIを通じて、基礎研究の芽を社会の力へとつなぎ、1,000年先を見据えたレジリエントな社会の実現を目指します。
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