田中善一郎名誉教授と三木千壽名誉教授が令和7年秋の叙勲を受章

2025年12月15日 公開

令和7年(2025年)秋の叙勲において、長年に渡る教育研究の功労に対し、東京科学大学(Science Tokyo)の田中善一郎名誉教授と三木千壽名誉教授が瑞宝中綬章を受章しました。

田中善一郎名誉教授 瑞宝中綬章

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教育、研究に長年にわたり従事して功労を積み重ね、成績を挙げた方は多数いらっしゃいますが、私がその一人に選ばれたことは光栄で、ありがたくかつ恐縮しております。

都会では自然に恵まれた大岡山キャンパスで、充実した東工大時代を過ごしましたが、なかでも、大学院社会理工学研究科の立ち上げに、工学部人文社会群の主任として、同僚の先生方と、時には夜遅くなるまで、尽力したことが思い出されます。

本学で一般教育を担当していた人文社会群は社会理工学研究科では価値システム専攻として本学のリベラルアーツの伝統を受け継いできました。また、私が専攻長のときには、リベラルアーツセンターが発足しました。

社会理工学研究科も価値システム専攻もリベラルアーツセンターも今は存在しませんが、リベラルアーツの伝統は東京科学大学でもリベラルアーツ研究教育院ほか新しい機関に引き継がれていると聞いております。

理工学系・医歯学系においてリベラルアーツの素養がますます重要となっているかに見える現在、東京科学大学がこの伝統を受け継ぎ、発展させてゆくことを願っています。

田中善一郎名誉教授

三木千壽名誉教授 瑞宝中綬章

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1947年徳島生まれ、1966年に東京工業大学に入学し、土木工学科に進学して1970年に卒業し、1972年に博士課程を退学し、助手になりました。1979年から3年間、東京大学で専任講師、助教授を務め、1981年に東工大に戻り助教授、1990年に教授になり、2012年に名誉教授になりました。1981年と1985年には米国のリーハイ大学で研究員を務めました。

教育面では材料力学、鋼構造、構造設計などの講義を担当してきました。研究面では、高強度鋼溶接部の疲労強度評価や製作管理などが中心となりました。1990年頃からは、インフラの損傷評価と補修・補強に係る研究のウエイトが高まりました。研究室からは52人の博士、20人を超える大学教員が生まれています。

東工大では、工学部長、副学長(教育・国際)を務めました。東工大の講義資料を全世界に向けて無償で公開し、最高水準の理工系教育を全世界の共有財産とすべく提供するプラットフォームTOKYO TECH OCW(OPEN COURSE WARE、現在はサービス終了)の設立や、東工大が独自にタイの関連機関と連携して運営するTAIST-Tokyo Techの設立、中国の清華大学やフランスのポンデショセ大学とのダブルディグリープログラム、アセアン工学系高等教育ネットワーク(AUN/SEED-Net)への協力、エジプト日本科学技術大学(E-JUST)の設立などが強く記憶に残っています。

2012年から東京都市大学に移り、2013年に副学長、2015年に学長になり、9年間務めて2023年に退職しました。

この度の叙勲は身に余る光栄と感じています。教育や研究活動にご一緒いただいてきた同僚や学生の皆様のおかげであり、心より感謝いたします。

東京科学大学として大きく飛躍することを祈念いたします。

三木千壽名誉教授

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