令和7年(2025年)春の叙勲において、東京科学大学(Science Tokyo)の三島良直名誉教授・元東京工業大学長が瑞宝重光章を受章しました。

三島良直名誉教授・元東京工業大学長 瑞宝重光章
コメント
今回の叙勲に関してはまさに身に余る光栄でありますとともに、あらためて身の引き締まる思いをいたしております。
1969年に東京工業大学に入学し、1年後に工学部金属工学科に所属して以来、1975年に金属工学専攻修士号を取得するまでご指導ご鞭撻をいただいた先生方はもとより、その後数十年にわたって構造材料と呼ばれる橋梁、自動車、航空機等の社会インフラを構成する金属材料研開発究に従事する中で貴重なご意見をいただいた国内外の研究者の皆様に、心からお礼申し上げます。
私の人生にとって大きな経験は、米国カリフォルニア大学バークレー校で学位取得をめざした1975年4月からの4年弱の留学と、その後の2年半弱のポスドクとしての経験でした。特に強調したいことは、米国のトップ大学では学部および大学院に入学してきた学生に対してそれぞれのレベルで専門基礎あるいは秀でた専門力を身につけるためのカリキュラムがあったこと、レベルの高いシラバスを用いた教育内容の実践を目指して教員たちが弛まぬ努力をしていたことです。私の経験は50年近い昔のことですが、現在も欧米の大学においては、教育内容のさらなる充実に向けてリベラルアーツや芸術といった他分野の知識取得、ハードルの高い課題に積極的に挑戦する意欲を育てることを重視しており、その点は高く評価できると思います。
2024年に東京医科歯科大学と統合し、東京科学大学となった今、さまざまな分野において世界から評価される人材を輩出する、世界トップの科学技術系大学を目指してほしいと思っています。