12月8日、インペリアル・カレッジ・ロンドン(以下、インペリアル)のメアリー・ライアン研究・企業連携担当副学長をはじめ、リカルド・マルティネス=ボタス機械工学科長、パートナーシップおよびインパクト(イノベーション・エコシステム)部門長のジン・パン博士、ならびに生体工学科・整形外科バイオメカニクス分野のアンジェラ・ケドリー准教授が、東京科学大学(Science Tokyo)を訪問しました。
インペリアルの一行は、大竹尚登理事長、田中雄二郎学長、森尾友宏理事・副学長(国際担当)、髙田潤一執行役副学長(国際担当)、関口秀俊執行役副学長(教育担当)、若林健二副理事(経営分析・成長戦略担当)、渡部俊也副学長(スタートアップ担当)、パトリック・フォス副学長(国際戦略・国際化担当)らからなるScience Tokyo執行部と懇談を行いました。
今回の訪問は、日英の現地、ならびにオンラインで重ねられてきた一連の協議を踏まえて実現したものであり、両大学が既存の連携関係をさらに発展させる可能性について検討を進めてきた取り組みの一環です。今回の協議では、学生および若手研究者の交流、スタートアップ・インキュベーション、拡大する「コンバージェンス・サイエンス(融合科学)」分野における研究マッチングを主なテーマとして、活発な議論が行われました。
Science Tokyoは2025年度に、善き未来をビジョンとして掲げ、その実現に向けた新たな研究体制「Visionary Initiatives(VI:ビジョナリーイニシアティブ)」を全学に導入しました。3つのビジョン「善き生活(Better life)」「善き社会(Better society)」「善き地球(Better planet)」からそれぞれ2つ、計6つのVIを定め、社会変革に向けた共通のビジョンを通じて未来を切り拓くことを目標に掲げています。この枠組みは、インペリアルが推進する「Schools of Convergence Science」と高い親和性を有しており、さらなる研究連携の深化に向けた強固な基盤を形成しています。
午前中の会合に続き、地球生命研究所(Earth-Life Science Institute:ELSI)所長であり、VIの1つSpace Innovation「宇宙生活圏を開拓する」のプログラムディレクターを務める関根康人教授によるプレゼンテーションが行われました。関根教授は、当該VIの目標および研究内容に加え、ELSIのミッション、組織体制、主要な研究成果について紹介しました。
その後、インペリアルの代表団は、未来社会創成研究院 DLab+ ディレクターの伊藤亜紗教授、未来社会創成研究院長の藤原武男教授をはじめとする関係者とともに、新たに大岡山地区にオープンした学外共創拠点「もしも:まちと未来の実験室」にて意見交換を行いました。
「もしも」は大学と地域社会との交流促進を目的として設計され、シェア型書店、研究者・学生による選書棚を備えたミニ図書館、Podcastの公開収録ブースなど、多様な共創スペースが整備されています。今回のミーティングには株式会社トヨタコンポン研究所の関係者も参加し、インペリアルのホワイト・シティ・キャンパスにおいても重要なテーマとなっている「コミュニティを中心とした連携」を軸に、活発な意見交換が行われました。
夕刻には、インペリアルの「School of Convergence Science for Space, Security, and Telecommunications」の共同ディレクターであるジュリー・マッキャン教授およびマシュー・サンター教授が合流し、Science Tokyo関係者とともにカジュアルな夕食会が催されました。工学分野における女子学生比率の向上、学生交流プログラムの拡充、将来有望な若手研究者の発掘・支援のあり方、さらにはヘルステックやAI分野における連携深化の可能性など、幅広いテーマについて意見が交わされました。
今回の訪問は、両大学の間で長年にわたり築かれてきた戦略的かつ包括的な連携を、さらに発展させる重要な機会となりました。
インペリアルのライアン副学長のコメント
今回の訪問を通じて、Science Tokyoとの長年にわたるパートナーシップの強固さ、そしてその根底にある共通の志を改めて実感しました。Science Tokyoのビジョナリーイニシアティブは、学際的研究と若手研究者支援を結びつけるという点において、インペリアルが推進するコンバージェンス・サイエンスの考え方ときわめて合致しています。研究とイノベーションの両面で連携をさらに深化させ、継続的なパートナーシップを通じて、地球規模の課題に取り組むプログラム構築の大きな可能性を感じています。
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更新履歴
- 2026年1月9日 本文の編集を行いました。