3月14日~16日、東京科学大学(Science Tokyo)は、九州工業大学と立命館アジア太平洋大学(APU)の学生が参加する三大学合同ハッカソンを、大分県別府市にあるAPUのキャンパスにて開催しました。
開催地であるAPUのキャンパスは、自然に囲まれた落ち着いた環境で、参加学生たちは快適に開発に集中できる場となりました。
ハッカソンとは、「ハック(Hack)」と「マラソン(Marathon)」を組み合わせた言葉で、限られた期間の中で集中的にアイデアを形にしていく開発イベントです。参加者はチームで協力しながら、プログラミングやデザインに取り組み、最終的に成果を発表します。技術や発想力を試す場であるだけでなく、参加者同士が交流し、新たなつながりを築く機会にもなっています。
Science Tokyoと九州工業大学は、2023年12月に「科学技術に関する産学・人材育成連携覚書」を締結しており、この連携覚書に基づき、2025年3月に初めて合同ハッカソンを開催しました。本イベントは、その取り組みの流れを受けた第2弾として実施されたものです。
イベントの企画・運営には、Science TokyoのTaki Plaza Gardenerの学生3名、九州工業大学のKCLの学生7名が携わり、事前の打ち合わせを重ねながら、企画内容や運営方法を丁寧に検討しました。今回はAPUを会場とし、APUの学生も参加者として迎えたことから、ハッカソンのテーマは昨年度に引き続き「越境と交流」としました。
参加学生は44名(Science Tokyo学生23名、九州工業大学学生17名、APU学生4名)。参加者の希望をもとにチーム分けを行い、複数大学の学生による混成チームと、単一大学の学生によるチームの2パターンで、全12チームを編成しました。各チームの人数は2~5名で構成され、多様なバックグラウンドを持つ学生同士が協力しながら開発に取り組みました。
開会式・課題の制作・交流会
初日の開会式では、司会を担当した朝岡翔大さん(九州工業大学大学院情報工学府博士前期課程情報創成工学専攻1年)から、3日間の開発の進め方や発表方法、評価基準(課題設定・解決、技術力、プレゼンテーション、アイデアの各25点)、審査員、表彰について説明がありました。その後、アイスブレイクを通してチーム内の緊張をほぐした後、チームごとにすぐに課題制作に着手しました。
初日の夜には交流会を実施し、カレービュッフェを囲みながら大学や学年を越えた交流が活発に行われました。会場には笑顔があふれ、参加者同士の距離が一気に縮まる様子が見られました。
最終成果報告・審査・表彰式・閉会式
2日目は終日開発に専念し、3日目に各チームによる成果発表、審査、表彰、閉会式を行いました。
成果発表では、短期間で開発されたとは思えないほど完成度の高いプロダクトが次々と披露されました。審査は、協力企業(楽天カード、ウイングアーク1st、オプティム)のエンジニアの方々により行われ、各発表に対して実務の視点からの質問や講評が寄せられました。
審査の結果、金賞・銀賞・銅賞が決定し、受賞チームの発表および表彰が行われました。本学の参加学生がメンバーとして所属するチームが銀賞を受賞しました。
銀賞を受賞したチーム「AYUMI」は、Kumdee Thanasanさん(Science Tokyo情報理工学院情報理工学系学士課程3年)、中嶋哲大さん(Science Tokyo工学院機械系機械コース博士課程2年)、垣内陽汰さん(九州工業大学 情報工学部知能情報工学科2年)、岳大登さん(九州工業大学 情報工学部知能情報工学科3年)の4名で編成されたチームです。
制作した「AYUMI:なりたい自分への道は、すでに誰かが歩んでいる」は、「なりたい人物の過去を辿り、次の一歩を見つける」というコンセプトに基づき、先輩たちのキャリアパスと自身のキャリアプランを比較できる、キャリア相談型アプリです。先輩たちのデータをもとに生成されたAIモデルとテキストベースでチャットできる点が特徴です。
閉会式では、九州工業大学 水井万里子副学長(教育本部担当)よりご挨拶をいただき、3日間にわたるプログラムを締めくくりました。
銀賞受賞「AYUMI:なりたい自分への道は、すでに誰かが歩んでいる」を制作した学生からのコメント
Kumdee Thanasanさん(情報理工学系学士課程3年)
この度は銀賞という光栄な結果をいただき、大変嬉しく思います。AYUMIは、みんなが歩んできた人生を可視化し、前向きに歩み出せるようなツールを作りたいという想いからスタートしました。約2日間という短い制作期間の中で、自分はフロントエンドのほぼ全般を担当し、チームの全員が役割を分担しながら一つの完成したプロダクトとして仕上げることができたことは、大きな達成感でした。
他チームの作品もどれも個性的で刺激を受けるものばかりで、自分たちも自分たちなりのベストを尽くせたと感じています。
普段は情報理工学系でソフトウェア開発の基礎について学んでおり、まだまだ探求したい技術が無限に広がっていると感じています。
今後も学び続け、社会に貢献できるプロダクト開発に挑戦していきたいと思います。
中嶋哲大さん(工学院機械系機械コース博士課程2年)
この度は、ハッカソンにおいて銀賞をいただき、大変光栄に思います。本イベントでは、若者の将来に対する不安を解消し次の一歩を後押しするアプリ「AYUMI」を開発しました。登録ユーザーの経歴を時系列で可視化する「人生マップ」や、先輩の経験を学習したAIモデルとの人生相談チャットなど、他者の歩みを自分の糧にできる仕組みを実装しました。私は普段宇宙工学の研究室に所属しており、ハッカソンとは無縁の分野で活動していますが、イベント全体を通して専門分野外の方々と久々に交流できたことはとても新鮮でした。また、チーム内で唯一情報工学専攻ではなかった私にとって、技術力の高い年下のメンバーたちに囲まれての開発は非常に刺激的でした。今回習得したソフトウェアエンジニアリング関連の技能を今後の活動に活かしたいと思います。
三大学合同ハッカソン参加学生のコメント
- 開発経験が少なく初めは不安でしたが、学生スタッフやチームメンバーのサポートのおかげで、最後まで走り抜くことができました。頭の中にあるアイデアを形にする楽しさを知り、刺激をたくさんもらった濃密な3日間でした。
- ハッカソンへの参加は初めてでしたが、短時間でアプリを完成させるプロセスは非常に貴重な経験となりました。他チームが「越境と交流」をどのように定義し、課題解決に繋げたのかを知ることができ、大きな刺激を受けました。 また、緑に囲まれたAPUのキャンパスは非常に心地よく、実際に訪問できて良かったです。
- 今回初めてハッカソンに参加し、チームメンバーと議論しながら短期間で開発を進める経験はとても新鮮で、貴重な学びとなりました。特に、生成AIを活用した開発や他の参加者の熱量・技術力に大きな刺激を受け、今後さらに学びを深めたいと感じました。APUの自然豊かで落ち着いた環境も、開発に集中する上で非常に良い環境でした。
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プログラミングでやることといえばシミュレーションだった私にとって、ツール開発は初めての経験でした。APハウスでの合宿形式だったため、朝早くから夜遅くまで、時に大分名物を楽しみながら開発に励むことができ、大変ながらも楽しむことができました。とりあえず経験してみよう!という軽い気持ちだったはずが、共に競い合った学生の技術への熱量・経験量に圧倒され、より深く学びたいと思うようになりました。
今回受けた刺激を忘れずに、今後の学修に励みたいです。
TPGメンバーとして企画・運営に携わった学生のコメント
普久原朝大さん(情報理工学院情報工学系2年)
東京科学大学、九州工業大学、立命館アジア太平洋大学の三大学合同ハッカソンが無事開催できたこと大変嬉しく思います。
昨年の末頃からKCLという、九州工業大学でハッカソン等を開催している団体と共に企画を進めていました。KCLの方々のハッカソンの知見を活かしつつ適切に役割分担を行ったことで滞りなく企画を進めることが出来ました。今回のハッカソンを通して、他団体と協力して一つのイベントを企画するという貴重な経験を積むことができ、大変有意義な機会となりました。
私は現在、情報工学系の学生としてプログラミング等の情報技術について学んでいます。今回、ハッカソンに参加された方々の作品を拝見し、その独創的なアイデアのみならず高い技術力にも大変感銘を受け、今後の学習への意欲が一層高まりました。
今後の展望
本学と九州工業大学による合同ハッカソンは、今後も継続的に開催する予定です。
今後のさらなる展開にも、ぜひご期待ください。
※参加者の所属、学年は全て開催当時のものです
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