東京科学大学と九州工業大学の2大学で合同ハッカソンを開催

2025年4月30日 公開

ハッカソン参加者・運営スタッフ・教職員・スポンサーの皆様との集合写真

東京科学大学と九州工業大学の共催にて、2025年3月5日~7日、本学の大岡山キャンパスTaki Plazaにて両大学の学生が参加する「ハッカソン」を開催いたしました。
本学と九州工業大学は「科学技術に関する産学・人材育成連携覚書」を2023年12月に締結していることから、共同開催する運びとなりました。

本イベントの企画と運営には、本学はTaki Plaza Gardener、九州工業大学はKCLの学生たちが携わり、2024年夏から打ち合わせを重ね、企画内容や運営方法を検討しました。

地理的に離れている両大学の学生が集まっての開催となることから、ハッカソンのテーマは「越境と交流」と定め、「地理的に離れているような状況下でも、両大学の交流が促進されるような作品を作ってください」とのインストラクションのもとで実施いたしました。

開会式・課題の制作

2月28日のキックオフイベント(オンライン)を経て、3月5日~7日の本番を迎えました。
初日は開催式をおこない、関口秀俊執行役副学長(教育担当)からの開会挨拶、本学卒業生の松田秀彦氏(fan-mily)からの挨拶にてスタートしました。

開会挨拶をする関口執行役副学長 開会式でコメントする松田秀彦氏
開会式の様子

参加者は43名(本学学生22名、九州工業大学学生21名)で、チーム編成は、参加者からの希望に基づき、両大学学生の混成となるチーム、所属大学の学生のみのチーム、その2パターンの混在とし、全部で12 チームが形成されました。各チームともメンバーの人数が3~4名となることは共通です。

まずアイスブレイクをおこない、チーム内の雰囲気を和やかにしたあとは、課題の制作に早速取りかかってもらいました。2日目午後の中間発表を挟み、3日目の最終発表の時間までは、各チームでの制作に集中して取り組んでもらいました。いずれのチームも、制作を進めるにあたり困難を感じたときには、メンターとなる学生や協力企業の方々からアドバイスをもらったりしながら、最終発表までディスカッションを重ね、熱く語り合いながら作業に集中する様子が見られました。

制作の様子
制作の様子
制作の様子
制作の様子
制作の様子
制作の様子

最終発表・審査

最終発表後、審査がおこなわれました 。審査はエンジニアの方々が務め(fan-mily、LINEヤフー、Progate、ハックツ 、ピクシブ、みらい創造インベストメンツ、レフィクシア)、採点基準は「課題設定・解決」「技術力」「プレゼンテーション」「アイデア 」の観点からおこなってもらいました。

審査の結果、12チームのなかから、最優秀チームには「リンクスコープ」、優秀チームには「Echolink(エコーリンク)」が選ばれました。

最終発表の様子

最優秀チーム「リンクスコープ」

「リンクスコープ」は、永田直希さん(東京科学大学 情報理工学院情報工学系学士2年)、新矢将宗さん(九州工業大学 情報工学部情報・通信工学科学士3年)、福田海優さん(九州工業大学 情報工学部知的システム工学科学士3年)の3名から構成されたチームです。「リンクスコープ」は、遠隔地にある大学キャンパスの実際の学生生活をリアルタイムで覗けるプロダクトです。一方の拠点ではスマホに取り付けた魚眼レンズ付きカメラで広角映像を撮影し、もう一方の拠点では自作の双眼鏡に組み込んだスマートフォンで表で360度パノラマ映像として再現しています。このプロダクトにより、普段は見えにくい異なる大学の生活風景をまるでその場にいるかのように体験できる点が特徴です。

最優秀賞受賞チーム「リンクスコープ」 (左側から)福田さん、新矢さん、永田さん
「リンクスコープ」の発表
「リンクスコープ」の発表

優秀チーム「Echolink」

優秀チーム「Echolink」は、Eubin Baekさん(東京科学大学環境・社会理工学院 融合理工学系 学士2年)、Kumkab Keeratisiwakulさん(東京科学大学環境・社会理工学院 融合理工学系 学士2年)、Dang Hoang Binhさん(東京科学大学環境・社会理工学院 融合理工学系 学士2年)、Shambhava Soodさん(東京科学大学環境・社会理工学院 融合理工学系 学士2年)、4名の留学生で結成されたチームです。「Echolink」は、科学大や九工大など、実在の大学キャンパスをドット絵で魅力的に再現した探索RPGです。細部まで描き込まれたマップを歩きながら、各大学にまつわる豆知識やトリビア、隠れた魅力を発見できます。世界観を彩る、ちょっとクセのあるNPCたちとの会話も見どころのひとつ、思わずクスッと笑えるセリフが満載です。まるでその大学を実際に訪れているかのような、ワクワクする体験が味わえます。

優秀賞受賞チーム「Echolink」、(左側から)Eubin-Baekさん、Kumkab Keeratisiwakulさん、Dang-Hoang-Binhさん、Shambhava-Soodさん

閉会式

閉会式では、成瀬允宣氏、松田秀彦氏、湯舟武龍氏(ハックツ)からコメントをいただき、最後に岡村哲至教授(東京科学大学 工学院機械系)から閉会挨拶をいただいて、3日間のプログラムを終了いたしました。

閉会あいさつ

両大学共催での合同ハッカソンは今後も継続的に開催予定です。

参加者コメント

  • ハッカソンに参加するのは初めてでしたが、とても充実した時間を過ごせました。与えられたテーマからいかにおもしろいアイデアを出すか、それをいかに実装するか、工夫するのが楽しかったです。ありがとうございました!
  • 今回ハッカソンに参加するのははじめてでした。今までは1人でしかやってこなかったことをみんなで協力してやるということで少し戸惑いました。でも、時間の少ない中でアイデアや技術交流などを通して大学同士の親睦も深めることができました。この企画は自分のプログラミング力だけでなくコミュニケーション力も伸ばすことができました。
  • ハッカソンに初めて参加して、限られた時間の中でアイデアを実現する難しさと面白さを実感しました。また、九工大の学生ともコミュニケーションを取り、良い刺激を受けました。今後に生かせる良い経験となったと思います。
  • プログラミング・開発には興味があるもののきっかけがなかったため、今回のハッカソンは良い経験となりました。同じ班の先輩方に沢山助けてもらい、円滑に進めることができました。ありがとうございました!
  • ハッカソン自体もいい機会でしたが、審査の間に九工大の方々と交流することができました。普段は他の人と成果を発表し合うことがないため、貴重な機会でした。

最優秀チームに選ばれた「リンクスコープ」を作成した学生のコメント

永田直希さん(情報理工学院 情報工学系 学士2年)
今回最優秀賞を受賞することができてとても嬉しいです!これはメンバーの活躍とLLMの活用がなければ成し得なかったと思っています。特に科学大と九工大の混合チームだからこそのアイデアを考えつくことができたのが大きかったです。さらに、大学の講義の中で教わったデザイン思考のフレームワークを使うことで、自由な発想を生かしつつも1つの作品のアイデアとしてまとめることができたのではないかと思っています。
今回のハッカソンのテーマは「越境と交流」でした。両大学間の物理的距離を越えて交流するにはどうすればいいかを考えた時に、そこに望遠鏡があれば自然と覗くのではないか、それを起点に交流することができるのではないかと考えました。そうしてお互いの大学を覗くことができる望遠鏡、名付けて「リンクスコープ」を開発しました。
技術的にも面白いことをしています。望遠鏡は360°覗けるので、カメラ側も360°を撮る必要があります。しかし360°カメラは安くても1万円はするので、あまり現実的ではないです。そこでスマホに付けられる魚眼レンズで歪んだ映像を撮り、それをリアルタイムで360°カメラのような映像に変換しています。
https://topaz.dev/projects/6d564fbf02fdc6979bde

永田直希さん(情報理工学院 情報工学系 学士2年)

企画運営の中心メンバーを務めた学生のコメント

中村鼓 さん(環境・ 社会理工学院 融合理工学系 学士3年)
九州工業大学と東京科学大学の合同ハッカソンイベントを無事開催できたことを、心から嬉しく思います。今回のテーマは「越境と交流」。地理的に離れた環境の中でも、両大学の交流を促進するような作品を生み出すことを目指しました。どのチームもテーマを的確に捉え、想像力と技術力を発揮し、素晴らしい作品を仕上げていました。また、イベント期間中は懇親会を含め、大学間の垣根を越えて交流を深める学生たちの姿が非常に印象的でした。
私自身、今回のような大規模イベントの運営を担当するのは初めてで、多くの挑戦がありました。特に、スポンサーさまや他大学との連携においては、さまざまな調整が必要となり、試行錯誤の連続でした。異なる立場の関係者の皆様と対話を重ねながら進める中で、マネジメント力を磨く貴重な機会となり、多くの学びを得ることができました。
本イベントの運営を通じて、多様な視点やアプローチの重要性を改めて実感しました。今後も、融合理工学系の学生として、物事を横断的に捉えながら、複雑で一見解決が難しいと思われる社会課題にも、より積極的に取り組んでいきたいと思います。
最後になりますが、本イベントの開催にあたり、ご支援いただいたスポンサーの皆様、共同運営を進めてくださったKCLの皆様、熱意を持って参加してくださった参加者の皆様、そしてイベントを支えてくださったすべての関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

中村鼓 さん(環境・ 社会理工学院 融合理工学系 学士3年)

※組織名、参加者の職名、所属、学年は全て開催当時のものです

参考URL

お問い合わせ

〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1 Taki Plaza B1 TP-005
大岡山学生支援センター 未来人材育成支援室(学生活動支援窓口)
Email:siengp@jim.titech.ac.jp
Tel:03-5734-7629