善き未来のための科学を分析する集団 I4Collective

I4Collectiveは、「社会的インパクトのためのイノベーションを高い倫理感を持って分析する集団(Investigation with Integrity, Innovation for Impact Collective)」を原義とする、Science Tokyo(東京科学大学)の理事長直下に置かれた分析・提言組織です。善き社会の実現に向け、知の価値を最大化させるべく、大学や企業も含めた国の戦略決定に役立つ調査・分析および情報提供を行うことなどをミッションとしています。

目的

未来を見据えた科学技術と政策の融合を促し、善き社会、ありたい未来の実現に寄与することが目的です。I4Cは、英語の “I foresee”(予見する、未来を見通す)という表現と音を掛け合わせた名称で、未来志向を象徴しています。

ミッション

Science Tokyoは、国や世界全体で解決すべき経済社会課題において社会にインパクトを与える潜在力のある「ディープテック分野」の研究に強みを持っています。こうした研究で養った知識や技術を、未来を見通す先見性を持って分析し、善き生活、善き社会、善き地球の実現に向けた情報提供と政策提言を行うことを使命としています。

特徴

  • ディープ・テック分野の強みを活かし、医歯理工学分野の最前線で研究を実施している研究者の参画を求め、研究者の持つ知見や「肌感覚」を分析に活用します。
  • Collective(集団)としての特色を活かし、対象のテーマに沿った経済学・政治学・社会学・国際関係論等の研究者・実務者を学内外から集め、分析チームを構成します。
  • 外部機関との契約に基づく委託分析の場合を除いて、大学の分析組織として、成果は広く社会にオープンにします。本学が進める「Visionary Initiative(ビジョナリー・イニシアティブ)」にも提言内容を反映します。
  • 大学に置かれる分析組織として、ディープ・テック分野における分析を担える「シンクタンク人材」を養成するためのプログラムを併設し、次世代育成にも力を入れます。

ご挨拶

大学が持つ科学技術の分析・提言組織として

I4Collectiveディレクター 佐藤 勲

I4Collectiveは2025年3月に発足した新しい組織です。その目的は、日本の、あるいは世界の科学技術の動向を踏まえ、世界の中での協創・競争の状況をも勘案しつつ、近い将来に取り組むべき課題や学術を分析して社会に発信することにあります。研究者個人の自由な発想と好奇心に基づいて研究を進めることを旨とする大学が、こうした組織を持つことに違和感を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、基礎的な研究から社会実装までをシームレスに展開して「善き未来」を実現することをビジョンの一つとするScience Tokyoには必要な機能であると同時に、最先端研究を実施している研究者を擁する大学だからこそ実現できる機能でもあると考えています。分析に際しては、学内外の様々な分野の研究者からの助言や示唆を得ることにしています。そのため、I4Collectiveは、「Collective=集団」の名称の通り、組織固有のメンバーだけではなく、有機的な人のつながりで運営していきます。また、こうして得られた分析結果は、時としてScience Tokyoの研究者や執行部メンバーとの間に利害関係が生じる可能性があります。そこで、I4Collectiveは、理事長直轄の組織として独立性を担保しています。大学に置かれた分析・提言組織だからこそできることを常に意識しつつ、社会の皆様から信頼いただける分析と発信に努めてまいります。

Collectiveスタイルで俯瞰的な慧眼を作り出す

I4Collective副ディレクター 桑田 薫

Science Tokyoの最先端医歯学・理工系研究者の知見を背景に、学内外の関連他分野のネットワークを駆使して集うメンバーと共にCollectiveスタイルで俯瞰的な慧眼を作り出し、社会洞察・未来洞察を進めてまいります。洞察結果に基づき、「善き未来」を実現するための社会ムーブメント創りにも貢献すべく、社会システムを形成する多くの皆さまとの議論・連携を重視し、専門知識の集約から社会形成活動へとつないでまいります。また、活動を通して蓄積される分析の方法論は、戦略議論を精緻に発展させるための知恵として広く活用いただけるように体系化していきたいと考えています。「善き未来」に向けて、複雑化する課題テーマに応じたCollectiveスタイルの活動にご期待ください。

「善き未来」の実現に向けた洞察と提言を社会へ

I4Collective副ディレクター 淺原 弘嗣

I4Collectiveは、医歯学と理工学が融合したScience Tokyoの知を基盤に、科学技術の進展を俯瞰して新たな時代の方向性を描く集団です。多様な分野の研究者が知と感性を持ち寄り、学術と社会をつなぐ創発的な場を築きます。さらに、国内外の動向を丁寧に読み解き、社会が直面する複雑な課題の本質を見極めることで、未来志向の議論を促し、新たな価値創造の端緒を拓いていきます。こうした取り組みを通じて、科学技術が果たすべき役割を広い視野で捉え直し、多様なステークホルダーとの協働を深化させながら、「善き未来」の実現に向けた洞察と提言を、責任あるかたちで社会へ発信してまいります。

I4Collectiveの活動

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総務企画部企画戦略課