東京科学大学病院のスタッフが令和8年熊本地震の被災地で医療支援を実施

2026年9月9日 公開

医師・看護師・救急救命士が東京JMATとして熊本県庁で活動

東京科学大学病院は、7月28日に発生した令和8年熊本地震の被災地を支援するため、東京都医師会からの要請を受け、東京JMAT(日本医師会災害医療チーム)として現地に入り、さまざまな医療支援活動に取り組んでいます。

甚大な被害を受けた宇城地域で支援活動をスタート

まず8月20日より、東京科学大学病院の植木穣病院長補佐・災害危機管理部長が熊本県宇城地域に派遣され、JMATの活動に従事しました。植木部長は宇城地域のJMAT調整本部に赴き、災害医療の経験を生かして、現地で統括にあたる本部チームの支援に取り組みました。

現地派遣に向けて無線機などの念入りなチェックを行う植木部長

発災後は多くの被災者が避難所での生活を余儀なくされましたが、学校の再開に向け、小中学校の体育館などに設けられた避難所を優先的に統合・閉鎖し、避難者を別の施設へ移す必要がありました。植木部長は、避難所の統合や移動に伴う支援計画の立案をサポートするとともに、避難者の移動前後の体調管理や、避難所を巡回する医療チームへの支援などに従事しました。環境の変化によって被災された方々の健康状態が悪化しないよう、現地の関係者と連携しながら8月28日まで活動を続けました。

医師、看護師、救急救命士が連携して医療支援

8月23日には、東京科学大学病院の安達朋宏医師、宮前繁助教、原田碧音看護師、北原嶺救急救命士の4人が熊本県へ派遣されました。4人は23日早朝に羽田空港を出発。同日午前11時頃に熊本県庁に到着し、26日までの4日間、熊本県JMAT調整本部において本部統括業務にあたりました。

羽田空港を出発する東京JMAT の4人。左から、宮前助教、北原救急救命士、原田看護師、安達医師

今回の主な任務は、被災現場での直接的な診療ではなく、各地域で活動する医療チームが円滑に支援を行えるようにするための調整・後方支援です。現地から寄せられる情報の整理・共有や、支援ニーズの把握、関係機関との連絡調整など、被災地の医療活動を支えるロジスティクスを担いました。

現地派遣に向けて装備を確認する安達医師
災害医療への思いを胸に派遣準備を進める原田看護師
携行する医療資機材を確認する北原救急救命士
現地派遣に向けて資機材の準備を進める宮前助教

災害医療では、現場で行われる診療だけでなく、人、物資、情報をつなぎ、限られた医療資源を必要な場所へ届ける本部機能も重要です。医師、看護師、救急救命士がそれぞれの専門性を生かしながら連携し、被災地の医療支援を支えました。

活動に不可欠な情報を整理・共有しながら支援活動にあたる北原救急救命士(左)、宮前助教(中)、安達医師(右)

被災した中学時代の経験から、被災地を支える看護師へ

派遣メンバーの一人、原田看護師が災害医療を志した原点は、15年前の東日本大震災にあります。当時、中学生だった原田看護師は、福島県郡山市で震災を経験しました。被災する側となったことをきっかけに、「いつか災害時に人を支えられる存在になりたい」と看護師を目指し、災害医療について学び、経験を重ね、今回が、JMATの一員として初めての被災地派遣となりました。

「東日本大震災では支えてもらう側でした。今度は、自分が支える側として、少しでも恩返しがしたいです」と語る原田看護師。中学生の時に胸に刻まれた思いが、15年の時を経て、熊本の医療支援へとつながりました。

熊本県庁で本部統括業務にあたる原田看護師(右)

東京科学大学病院は今後も、大規模災害の被災地において人々に必要な医療と支援が届くよう、関係機関と連携しながら災害医療活動に取り組んでいきます。

また、東京科学大学(Science Tokyo)では被災地の復興に向けた支援策の一環として義援金を募集しています。お預かりいたしました義援金は、日本赤十字社を通じて、被災地の復興支援に役立てていきます。皆様からの温かいご支援とご協力をお願い申し上げます。

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