
2大学の統合により、多様な学問分野の展開が叶えられました。
多彩な視点から、1つのテーマについて語るクロスビュー。創刊号では「人間」について思考します。
一人ひとり個別にデザインする看護は創造的な営み
Art
基盤診療部門 集中治療部 野口綾子 講師


看護ケアには唯一の正解が存在しないため、一人ひとりの望むケアを想像し、実践することが求められます。このように、看護は創造的な営みでもあります。私は、デザイン思考やアートを取り入れた病院環境やケアの在り方を探求しています。
食事を摂る時間帯がもたらす身体への影響を追究する
Nutrition
リベラルアーツ研究教育院 髙橋将記 准教授


私が専門とする時間栄養学では、食事を摂取するタイミングが、いかに人体に影響を及ぼすかを追究しています。ライフスタイルが多様化する現代社会では、個々の生活リズムに合わせた栄養・食生活が必要です。時間栄養学の知見を活用し、人間の健康増進に寄与する研究をしています。
手の動きの微細な変化から病気を予測する
Body
医療イノベーション機構 藤田浩二 教授


手は人間の生活の質を左右する大切な体の一部ですが、その動きの仕組みにはいまだに解明されていない部分があります。手や指の微妙な動きから読み取れるさまざまな情報に注目し、病気の予兆やリハビリの進捗を把握する方法を開発することで、治療や診療に役立てています。
人類が生きられる地球環境の成り立ちを探る
Environment
理学院 地球惑星科学系 上野雄一郎 教授


地球環境は約45億年を通して変動してきました。人間の呼吸に必要な酸素大気は約23億年前に、食べ物となる動植物は約5億年前に登場しました。そのような億年スケールの地球環境を調べるため、太古の地層から取り出した分子がどこから来たのかを調べる技術を開発し、地球と生命の歴史の謎に迫っています。
ソフトロボットの研究は人間理解を深めること
Robot
工学院 機械系 前田真吾 教授


人間の健康状態を大きく左右する社会環境を考える
Society
大学院医歯学総合研究科 歯科公衆衛生学分野 相田潤 教授


社会環境は人間の健康や行動を左右します。なぜ国や地域によって健康状態が大きく異なるのか。ビッグデータの解析により、貧困と不健康の関係、他者とのつながりが健康に与える効果、歯科医院までの距離と歯科受診の関係など、社会環境が健康に及ぼす影響を研究しています。
強く・優しく・スマートな高分子材料で医療を支える
Material
物質理工学院 材料系 児島千恵 教授


タンパク質・DNAなどの生体高分子は、人間のさまざまな生命現象に関与しています。私はこれらを模倣・利用し、先端医療のための高性能な医用材料を開発しています。強く、優しく、スマートに機能する医用高分子材料が、医療を縁の下で支えます。