半導体業界を知る。つながる。選択肢にする。半導体キャリアイベントを開催

2026年10月22日 公開

2026年9月29日、一般社団法人RISE-AのRISE GATE NIHONBASHIにおいて「半導体業界を知る。つながる。選択肢にする。半導体キャリアイベント」を開催しました。本イベントは、UPWARDS for the Future および次世代半導体エコシステム共創センターが運営する未来共創半導体イノベーションアリーナSiCA、RISE-Aの共催のもと、高専生、学部生、大学院生、社会人を対象に、東京エレクトロン株式会社による企業講演、SiCA Alumniによるキャリアトーク、日本IBMによる半導体設計体験プログラム「The Game」を実施したものです。参加者は、半導体産業の魅力や多様なキャリアの可能性に触れるとともに、自ら考え、議論し、発表する体験を通して、将来の進路について理解を深めました。

チャレンジを恐れず、新たな可能性に挑戦する

イベントの冒頭では、東京エレクトロン株式会社 人事部部長代理の竹内かおり氏が講演を行いました。講演では、AIやIoT、自動運転などの進展を支える半導体産業の重要性や、同社の事業内容について紹介がありました。また、半導体業界では技術職だけでなく、人事、営業、情報システムなど幅広い職種が活躍していることが説明されました。
竹内氏は、自身の経験も交えながら、東京エレクトロンでは社員が失敗を恐れずにチャレンジできる環境づくりを重視していることを紹介し、「何かを始めるのに遅すぎることはない」というメッセージが送られ、新たな分野へ挑戦することの大切さについて考える機会となりました。

講演会の様子

専門性を持ちながら、その外へ踏み出す

続いて、東京科学大学を卒業し、Sony Interactive Entertainmentに就職した田安宜氏によるキャリアトークが行われました。田さんは、学生時代の研究活動やSiCAのProject Base Learning (PBL)活動を振り返り、PBLを通じて社会課題を構造的に捉える視点や、ありたい未来から逆算して考える「バックキャスト」の考え方を得たことによって、実現したいユーザ体験を想像して、製品開発を行うという能力が身に付き、現在の技術開発業務に活かされていることが語られました。
加えて、多様な専門性を持つ人々との協働の重要性についても語られ、参加者へ「専門を持って、専門の外へ出てみよう」というメッセージが送られました。半導体分野に限らず、変化の大きい社会で活躍するために必要な視点について学ぶ機会となりました。

講演会の様子

半導体設計の意思決定を体験する

イベント後半では、日本IBMの小西研司氏による半導体設計体験プログラム「The Game」を実施しました。The Game は半導体製品開発のリアルを楽しみながら学べるプログラムです。ゴールは、誰もが知るエンドユーザー向け製品(今回はドローン)のシステム・オン・チップ(SoC)アーキテクチャの完成です。
参加者はチームに分かれ、要求解析、要件定義、IPコア選択、アーキテクチャ設計など半導体を設計する工程だけでなく、市場のニーズなどを想像しながら付加価値をどうつけるか、を試行錯誤しながら体験しました。最終製品に組み込む機能に必要なSoC設計だけではなく、コストや消費電力といった複数の要素を、多様なバックグラウンドを持ったチームメンバーとディスカッションしながら、最適なものを作り上げました。

The GameでSoC設計する様子
The Gameの成果発表と講評の様子

参加者の声

参加者からは、「性能だけでなく要件から設計を考えることができた」「異なるバックグラウンドを持つ参加者と議論しながら半導体設計を体験できた」「実際の設計プロセスへの理解が深まった」といった声が寄せられました。単に知識を学ぶだけでなく、設計におけるトレードオフやチームでの意思決定を体験できたことが、高い満足度につながったと考えられます。

企業・学生・卒業生が交流

プログラム終了後には交流会を開催しました。学生、高専生、企業関係者、卒業生、教職員が立場を越えて交流し、講演内容や研究、キャリアに関する話題について活発な意見交換が行われました。参加者にとって、半導体業界で活躍する社会人や先輩と直接話し、将来のキャリアを具体的に考える貴重な機会となりました。

おわりに

本イベントでは、学生のほか、異分野のビジネスパーソンも一体となって「挑戦することの大切さを知る」、「多様なキャリアの可能性に触れる」、「半導体設計を実践的に学ぶ」、「業界で活躍する人々と交流する」という一連の学びの機会が共有されました。SiCAおよびUPWARDSでは、今後も産学連携による取り組みを通じて、次世代の半導体人材育成を推進していきます。

イベント終了後の集合写真。参加者は企業講演、キャリアトーク、半導体設計体験、交流会を通して半導体業界への理解を深めました。

UPWARDS for the Future

UPWARDS(University Partnership for Workforce Advancement and Research & Development in Semiconductors)for the Futureは、半導体でより良い未来を実現する人材育成と研究開発を加速するための日米産学パートナーシップです。マイクロン、米国国立科学財団(NSF)、東京エレクトロンに加え、日米11大学が参画しています。

日本側 広島大学、東京科学大学、九州大学、名古屋大学、東北大学
(英語名称のアルファベット順)
米国側 ボイシ州立大学、パデュー大学、レンセラー工科大学、ロチェスター工科大学、
ワシントン大学、バージニア工科大学(アルファベット順)

Science Tokyoは「UPWARDS for the Future」を通じて、次世代の半導体人材育成と研究開発を推進するとともに、異分野連携を深め、日米の半導体人材エコシステムの創成に貢献していきます。

SiCA

SiCA(Semiconductor Innovation and Co-creation Arena/未来共創半導体イノベーションアリーナ)は、半導体を核とした領域横断型の共創の場から、産業の未来を担う人材「半導体設計オーケストレーター」を育成するための拠点です。東京科学大学が拠点校となり、東京理科大学、横浜国立大学を連携校、東京大学が参画校として、半導体設計分野における高度人材の育成を目的としています。
enSET(Education Network for Semiconductor Technologies)は、文部科学省「次世代半導体産業を支える人材育成事業」に採択された全国7拠点からなる半導体人材育成のネットワークです。SiCAはenSETに参画する拠点のひとつで、設計分野を中心に展開しています。

RISE-A

RISE-Aは「半導体による産業イノベーション推進のエコシステムを構築し、日本の次世代産業競争力の強化に繋げる」ことを目的とする「半導体のユーザー、サプライヤー、サポーターを繋ぐコミュニティ」として2025年7月に設立された一般社団法人です。

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