東京科学大学(Science Tokyo)情報理工学院 情報工学系の大上雅史研究室の学生チームが、化合物の分光特性予測に関する国際機械学習コンペティション「2nd Joint EU-OPENSCREEN/SLAS Machine Learning Challenge」において、透過率予測部門で第1位を獲得しました。
本コンペティションは、ヨーロッパ全域の化学バイオロジー研究を支援する欧州研究基盤「EU-OPENSCREEN(European Research Infrastructure Consortium : ERIC)」と、ライフサイエンス分野における自動化技術とハイスループットスクリーニングの発展を目的とする国際的な科学学会「Society for Laboratory Automation and Screening(SLAS)」が主催するもので、化合物の分光特性を機械学習により高精度に予測する手法を競います。この予測手法は、創薬や材料科学分野への応用が期待される重要課題として位置づけられています。世界各国から研究者・学生チームが参加し、予測精度や汎化性能などが総合的に評価されました。
第1位を獲得したScience Tokyoの学生チームは、大上研究室に所属する情報理工学院 情報工学系の古井海里さん(博士後期課程2年)、ケンカーンナー・アーパーコーンさん(博士後期課程2年)、坂野晃さん(修士課程2年)の3人で構成。データ特性を的確に捉えた特徴量設計と高度な機械学習モデルの構築により、透過率予測部門で最高評価を獲得しました。
表彰式は2月9日、米国ボストンで開催中の国際会議「SLAS2026 International Conference and Exhibition」にて行われました。
近年、AIによって科学研究システムの革新を目指す「AI for Science」が日本の重要政策と位置づけられ、AI開発を支えるデータの創出・活用基盤の整備が急務となっています。今回の成果は、データ駆動型科学の発展を担う若手研究者の国際的な競争力を示すとともに、機械学習技術の化学分野への展開可能性を改めて示すものとなりました。今後は、実データへの応用や産学連携を通じた社会実装への発展が期待されます。