東京科学大学(Science Tokyo)は11月12日、株式会社ツムラとの共催で、生理痛やPMSへの理解促進を目的とした特別イベント「見えない不調を科学する~生理痛・PMSの実態~」を大岡山キャンパスで開催しました。本学として初めて“見えない不調”の一例として生理・PMSをテーマに取り上げ、当日は男女問わず多くの学生・教職員が参加しました。
実施内容
本イベントでは、学生によるポスター展示、株式会社ツムラ#OneMoreChoice プロジェクトによる生理・PMSに伴う症状による日常への影響を可視化した展示コーナーや、生理痛体験装置「ピリオノイド」(提供:株式会社リンケージ)による生理痛を疑似体験するコーナーなど、目に見えない症状について考え、体感する機会を提供しました。また、それらを通じて、生理やPMSでつらさを抱える人と周囲の認識の違いを知り、生理の症状に悩む方には「どうしてほしいか」を表現する機会を、周囲の人には「どう寄り添えばよいのか」を考える機会を提供しました。
• 株式会社ツムラによる展示・体験コーナー
• 生理痛体験装置「ピリオノイド」による疑似体験(先着70名)
• ポスター展示/体験シェアコーナー
• ディスカッションコーナー
生理に馴染みのない男子学生をはじめ、生理に伴う症状における個人差に関心のある女子学生、教職員など、幅広い参加がありました。
会場の様子
会場は終始多くの参加者でにぎわい、生理痛やPMSについて積極的に学び、体験を通してより理解を深め、最後はみんなで語り合う姿が見られました。
参加者の声(アンケートより抜粋)
• 知らないことばかりだった。自分が知ろうともしていなかったことを知った
• もっと早く経験したかった
• 抑鬱や不安などの精神面の症状も不調としてあらわれることを知らなかった
• 声のかけ方を知ることができた
• 男子学生が積極的に運営や参加されていることが、とても印象的だった
• 男女関係なく、つらさをシェアできるようになるといい
• つらい思いをしている人に、よりそってあげられるようになりたい
• みんなのこととして、生理痛を考える社会へ
• 理解すること、寄りそうことが大切だと感じた
• つらさは自ら外に表現する。周囲はつらさを話せるような雰囲気をつくりたい
• 日常的に人を気遣いながら生きることが、大切なのかなと思った
運営メンバーのコメント
柳瀬 梨紗子さん(環境社会理工学院 修士課程2年)
本イベントの企画にあたり、私が最も大切にしたのは「生理についてフラットに話せる環境づくり」です。今回着目した生理は女性の身体に起こる現象であり、場合によっては女性が男性に一方的に話をするイベントにもなり得ました。しかし1人の女性として私は、自分が思いもよらない部分に疑問を抱く男性が予想以上に多いと感じており、イベントではとにかく参加者がフラットに対話・議論できる場をつくりたいと考えました。
生理に限らずに言えば体調不良は誰にでも起こることで、日常生活の中では我慢せざるを得ないタイミングもあるかもしれません。しかしフラットに話せる環境があれば、その我慢を少しでも軽くできると期待しています。
本イベントは本学で前例がなかったこともあり、開催前は不安な日々を過ごしました。しかし当日の会場は開始から終了まで絶えず賑わっており、体験・見学後に直接質問をいただくこともありました。予想以上の反響をいただき、非常に光栄です。
開催にあたりご協力いただいた教職員・学生の皆様、またイベントにご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。
本イベントがきっかけとなって、少しでも身体の不調を周りに伝えるハードルが下がることを願っています。
今後の展望
展示と体験 を組み合わせたコンテンツにより、生理痛・PMSへの理解が確実に深まったことがアンケートからも明らかとなりました。
参加者の約9割が「今後もできる範囲でサポートしたい」と回答するなど、生理やPMSに関する話題を共有しやすい環境づくりへの一歩として、大きな成果を得ることができました。
Science Tokyoでは、今後も学生・教職員のウェルビーイング向上に向け、継続して取り組みを進めてまいります。
お問い合わせ先
大岡山学生支援センター 未来人材育成支援室
〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1 TP-005
Email:concierge.general@ssc.isct.ac.jp
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