「第1回 未来の自分を支える健康セミナー ~我慢しない生理痛・PMS」を開催

2026年2月27日 公開

東京科学大学(Science Tokyo)学生支援センターと社会連携・DE&I本部DE&I部門、アントレプレナーシップ教育機構は、2月12日、「第1回 未来の自分を支える健康セミナー ~我慢しない生理痛・PMS」をZoomウェビナー形式で開催しました。当日は、男女問わず、多くの学生・教職員が参加しました。
本セミナーは、学生や教職員が、現在から将来に亘って、健康的で充実した人生を過ごすことを目的としたシリーズ講演会の第1回で、東京科学大学の尾臺珠美助教(産婦人科医)を講師に迎え、「我慢しない生理痛・PMS」をテーマに講演が行われました。

現代女性と月経の変化

出産年齢の高年齢化や出生数の減少により、現代女性の生涯月経回数は、かつてと比較して大幅に増加しているとされています。
月経回数の増加に伴い、月経困難症やPMS(月経前症候群)に悩む方も少なくありません。
一方で、症状が強くても婦人科受診率は決して高くないことが示され、「つらい症状を我慢している人が多いのではないか」と問題提起がありました。

月経の仕組みと不調のメカニズム

月経は、妊娠に至らなかった場合に子宮内膜が剥がれ落ちることで起こる生理的現象です。
その背景にはエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンの周期的な変動があり、これらの変化が腹痛、頭痛、むくみ、イライラ、眠気など多様な症状を引き起こします。

特に、

  • 月経中の強い腹痛・腰痛(月経困難症)
  • 月経前の精神的・身体的症状(PMS)
  • 精神症状がより重いPMDD(月経前不快気分障害)

などは、日常生活や学業・仕事に大きな影響を与えることがあります。

スライド:生理は必要か?

ピル(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)について

講演では、治療選択肢の一つである低用量ピルについても詳しい説明がありました。
主な効果として、

  • 月経痛の軽減
  • 経血量の減少
  • PMS/PMDD症状の緩和
  • 子宮内膜症の進行抑制
  • 卵巣がん・子宮体がんリスク低下

などが挙げられました。

一方で、血栓症リスクなどの副作用や、服用できないケースについても丁寧に解説され、正しい知識に基づいて選択することの重要性が強調されました。

また、「将来妊娠しにくくなるのでは?」という不安については、服用中止後は3カ月以内に約90%で排卵が再開し、長期服用が妊孕性を低下させるというエビデンスはないことが紹介されました。

スライド:ピルのメリット・デメリット

「受診の目安」と婦人科へのハードル

事前に受けた質問でも、「どの程度で受診すべきか」「内診が不安」といった声もあり、尾臺助教からは、

  • 市販の鎮痛薬でコントロールできず、学業や仕事を休むほどの症状がある場合は受診を検討するのがよい
  • 必ずしも初診で内診を行うわけではないので、検査は事前に医師へ相談してよい

といった具体的なアドバイスがあり、受診への心理的ハードルを下げるメッセージが伝えられました。

キャリアと妊娠・出産のタイミング

本学の学生の「キャリアと妊娠出産の両立」についての質問に対しては、
加齢に伴い妊娠率が低下し、流産率が上昇することを示すデータをもとに、

  • 将来何人子どもを望むか
  • 自然妊娠か不妊治療も視野に入れるか

といった点を踏まえ、早めに情報を知りライフプランを考えることの重要性が示されました。

また、近年は社会的卵子凍結(ノンメディカル卵子凍結)という選択肢も広がっていることが紹介されました。

参加者の声(アンケートより抜粋)

  • 生理痛やPMSは我慢するものではなく、正しい知識を持ち対処することが大切だと学びました。症状の原因や具体的な対処法を知ることで、自分の体と向き合う意識が高まりました。
  • 特に印象に残ったのは、生活習慣の見直しや早めの相談の重要性です。無理をせず、自分を大切にすることが、将来の健康につながるのだと感じました。
  • PMSや生理痛を和らげるピルについて、知ってよかった。
  • ピルの飲み方や選択、薬の種類や、薬を変更する場合のタイミングがわかりやすかった。
  • 生理痛のために生活に支障があるようなら、ためらわずピルを使ってよいことがわかってよかった。
  • 出産の適齢について、相談しても「難しいよね」で終わってしまうと思っていたが、データに基づいて解説してくださったことが印象的だった。
  • 男性として生理を経験したことがなかったので、今回のイベントによってその大変さや対応の複雑さを少し垣間見ることができて、女性の多い職場で勤務する上でとても有益であった。

おわりに

本セミナーを通して、「つらい症状を我慢するのではなく、正しい知識をもって選択肢を知ること」が、将来の自分を支える第一歩であることが共有されました。

第2回のシリーズ講演会は2026年夏ごろの開催予定です。Science Tokyoでは、学生・教職員のウェルビーイング向上に向け、今後も継続して取り組みを進めてまいります。

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