東京科学大学(Science Tokyo)は2026年9月7日~8日、教育本部の主催、教育革新センター・教育推進部の企画・運営により、教員向けの研修である全学FD2026「アカデミック・ウェルビーイングそしてリサーチ・ウェルビーイングを実現する大学の未来を語り合おう」をクロス・ウェーブ船橋で開催しました。昨年度に引き続き学外研修施設での宿泊形式で実施し、理工学系・医歯学系をはじめ全学から教員41人が参加しました。
全学FDのテーマは、昨年度に引き続き「ウェルビーイング(Well-being)」を据えました。本学は「『科学の進歩』と『人々の幸せ』とを探求し、社会とともに新たな価値を創造する」をミッションに掲げ、2026年には国際卓越研究大学に選定されるとともに、新たな研究組織であるビジョナリーイニシアティブ(VI)の展開も本格化しています。こうした背景を踏まえ、学生・教員双方の学びと研究活動の質を高める「アカデミック・ウェルビーイング」と「リサーチ・ウェルビーイング」に焦点を当てました。
グループ討論では「アカデミック・ウェルビーイング/リサーチ・ウェルビーイングを実現する授業・研究室の在り方 -多様な学生と教員がともに学び合う環境づくり-」(テーマA)、「先進技術を活用した教育の工夫と課題 -学びの質とアカデミック・ウェルビーイングを高めるために-」(テーマB)の2つのテーマを取り上げました。研究室や授業におけるダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進と多様な学生への支援の在り方、また、生成AIやXR技術をはじめとする先進技術が大学教育にもたらす可能性と課題について検討しました。
1日目(9月7日)のプログラム
山口久美子准教授(ヘルスケア教育機構・教育革新センター協力教員)の司会の下で、田中雄二郎学長のオンラインによる挨拶に続き、加藤由香里教授(教育革新センター長)、室田真男教授(リベラルアーツ研究教育院長・教育革新センター協力教員)より本FDの趣旨説明がありました。その後、平井伸英教授(大岡山学生支援センター)、高田純准教授(保健管理センター)より「多様な学生を育む授業/研究室指導に関して」、鹿島田彩子医学部内講師(大学院臨床医学教育開発分野)より「先進技術を活用した教育の工夫と課題」の題目で話題提供がありました。続いて、参加教員はテーマごとに2つの会場に分かれて小グループを編成し、活発な意見交換と討論を行いました。
テーマAでは、各部局での実践事例を共有しながら「多様な背景を持つ学生への支援」「異なる文化や価値観を持つ構成員との協働」等について意見を交換しました。一方、テーマBでは、教育の効率化といった利点だけでなく「学習者の主体性」「倫理的課題」「学生や教員同士の関わりの価値」等について、多角的な視点から議論しました。
夕食・懇親会では、依田哲也副学長(融合教育推進担当)からご挨拶をいただき、理工学系・医歯学系の垣根を越えた交流が行われ、今後の教育・研究連携につながる機会となりました。最後は、恒例の関口秀俊執行役副学長(教育担当)の一本締めで会を終わりました。
2日目(9月8日)のプログラム
大石由美子教授(大学院医歯学総合研究科・教育革センター副センター長)の司会の下で、前日の議論内容を全体で共有するために全グループによるポスター発表が行われました。各グループからは、多様な学修・研究環境の実現やAI時代における新たな教育の在り方について、多くの提案や実践事例が紹介されました。続いて、島崎俊介マネジメント准教授(教育革新センター)による「VR・AR・教育ロボットを活用した教育環境」を体験するデモンストレーションが行われました。参加者はゴーグルや教育ロボットなどの先進技術を実際に体験しながら、授業での活用可能性や新しい教育方法について理解を深めました。その後、高田准教授、平井教授がワークショップ「教職員のWell-beingについて」と題して、小さな行動計画を立てるワークショップが行われました。最後に、若林則幸理事・副学長(教育担当)より総括コメントがありました。
参加教員からは、分野を越えて多様な教員同士が意見交換でき、これからの本学の教育について考える時間を持てたこと、先進技術を活用した新たな教育実践について学べたことを評価する声が寄せられました。教育革新センターでは、今回の全学FDで得られた知見を今後の教育改革やFD活動に活かし、教育の質向上に取り組んでいきます。