リベラルアーツ研究教育院 統合記念シンポジウム「世界を広げ 未来を輝かそう」を開催
異なる視点が交わる「共創」の場で学ぶ、多様性と未来を創る力
8月4日、東京科学大学(Science Tokyo)リベラルアーツ研究教育院(ILA)は、「世界を広げ 未来を輝かそう」と題した統合記念シンポジウムをハイブリッド形式で開催しました。
ILAは、旧東京医科歯科大学教養部と旧東京工業大学ILAが統合し、2024年10月に設立された組織で、医歯学系と理工学系の学生がともに学ぶ「共修」を推進しています。
本シンポジウムでは、統合後の教育実践の例として、2025年度第1クオーターに実施された、医歯学系と理工学系の新入生が大岡山キャンパスでともに学ぶ「大岡山Day」が紹介されました。大岡山Dayでは、互いの専門分野や価値観に触れ、視野を広げることを目指し、少人数クラスでの対話型学習を軸にした必修科目「立志プロジェクト」を開講しています。また、医歯学系の必修科目「人文社会科学概論」が理工学系の学生に向けても開講されました。こうした取り組みを通じて、これまで接点のなかった分野での探究や、多様な視点からの議論、さらには「新しい発想が育まれた」「連帯感が醸成された」といった相乗効果が生まれたことが、学生と教員双方から報告されました。
実際に授業を受けた新入生と、授業を支援した大学院生が登壇して学生パネルディスカッションが行われました。医歯学系と理工学系の学生が同じクラス内で一緒になった結果、これまで接点のなかった分野に関して学びが深まったという成果が紹介されました。「自分にない意見を知ることができた」「新しい視点を見つけられた」などの具体例を交えたエピソードの他、「医歯学系と理工学系の学生が一緒に学べる貴重な機会なのに、5月末で終了というのは短い」といった意見も聞かれました。
続いて開催した教員パネルディスカッションでは、DE&Iやコンバージェンスサイエンスといった横断的なテーマを扱うことで、社会の複雑な課題について多角的に考える力が養われたことが成果として挙げられました。
一方で、中長期的な教育効果の測定強化や、「共修の機会を増やしてほしい」という学生の要望への対応、留学生との共修機会の制度化など、次年度以降に向けた課題と改善点も議論されました。
ILAが目指す「共修」は、異なる分野の学生と教職員が協働しともに成長する場として、Science Tokyoの新しい教育モデルの核となるものです。今後もこうした取り組みを深化させ、より質の高い学びの場を創出することが期待されます。
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