1月27日、東京科学大学(Science Tokyo)の学生交流プログラム 「Tokyo Tech-MIT Student Exchange Program」第7期生による留学報告会が行われました。
このプログラムは工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院の3学院とマサチューセッツ工科大学(MIT)原子力科学工学科とが結んでいる協定に基づく単位互換・授業料不徴収の学部学生交流プログラムです。なお、本協定はMIT先進原子力エネルギー研究センターと旧・東京工業大学 科学技術創成研究院(先導原子力研究所担当)の間で2019年度に締結された部局間協定を基礎としており、2026年から新たにScience TokyoとMITの協定としてプログラムが延長されることが決定しています。
2025年度はScience Tokyoの川上夏香さん(物質理工学院 応用化学系 学士課程4年)と黒田舜弥さん(環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程4年)が9月~12月の4ヵ月、MITに留学しました。また、MIT学生のコール・ウィカートさん(MIT 原子力科学工学科 学士課程3年)が10月~1月の4ヵ月、Science Tokyoに留学しました。
報告会では、若林理事・副学長へ交換留学の報告を行いました。
Science TokyoからMITに派遣された学生2人からは、MITの極めて刺激的な環境下で研鑽を積む中、本学で培った学力や研究力が世界最高峰の舞台でも十分に通用することを確信したとの報告がありました。特に、現地の学部学生研究プログラム(UROP)において、自ら主体的に研究を推進し、その成果を研究報告書としてまとめた経験は、今後さらなる研究を遂行する上で大きな自信を得ることにつながったとの発言がありました。
また、MITからScience Tokyoに派遣された学生からは、本学研究室での専門的で実践的な研究が非常に実りの多い経験であったとともに、研究活動以外での体験も通じて日本文化を深く体感することができたという報告がありました。
若林理事・副学長からは、このプログラムがScience TokyoとMIT両学生の学修経験の充実と、本学の国際的な評価向上に寄与しているとの評価がありました。
川上夏香さんのコメント
この留学を通して、多くの貴重な経験を積むことができました。
MITの講義では、さまざまな分野を専攻する学生と関わることで、彼らの知識や熱量に驚き、自分の未熟さに気付かされました。一方、大学院生向けの講義でも何とかついていくことができ、日本での学びの成果を実感し、今後の学修意欲が高まりました。
日本では日々勉学に追われていたのですが、留学中は現地での生活を満喫するべく、週に一度は外出し、街を散策するようにしました。その結果、平日に集中して課題や研究に取り組むようになり、メリハリを付けることの大切さを実感しました。
また、新たな文化を知り実践的な英語力が身についただけでなく、異なる背景や考え方を持つ人々と交流することで、人間としても大きく成長したと感じています。自分の生活がいかに周囲の人に支えられて成り立っているかを実感し、当たり前の日常に感謝するようになり、また日本の素晴らしさを再確認しました。加えて、自分の今までの生き方を受け入れて肯定し、自信を持てるようになりました。
少しでも「留学に行きたい」という気持ちがあれば、勇気を出して挑戦してほしいです。困難はあると思いますが、それをはるかに超える達成感が待っているはずです。
黒田舜弥さんのコメント
MIT留学では、講義や生活も含めて自身が経験したことのない貴重な学びを得ることができました。特に講義番号22.033の授業では、MITの原子核科学工学科の学生とグループでプロジェクトに取り組みました。原子核と一言で言っても、さまざまな分野がある中で、専門の違うそれぞれの学生が多国籍な環境で一つの課題に取り組む経験は得難いものでした。
また研究においては、プロジェクトに参加し、アメリカでの研究スタイルを体験することができました。特に立ち上げに関わらせていただいた経験は、大変貴重でした。
さらに勉学だけでなく、他の交換留学生と毎日夕食を共にし、イベントに参加するなど課外活動も充実していました。多くの友人をつくることができ、さまざまな知見を得る機会に恵まれました。
今回の留学では、自身が当初想定していたよりもはるかに多くの学びを得ることができました。この留学機会を提供してくださったScience Tokyo、MITの両校に大変感謝するとともに、友人、家族をはじめサポートしてくださった全ての方に御礼申し上げます。
コール・ウィカートさんのコメント
昨学期、私はScience Tokyoで原子核工学の大学院生として学び、研究を遂行するという機会を得ました。ここでは、厳密で専門的な学術環境の下、熱流動や核燃料サイクル、革新炉設計など原子核工学に関する講義が提供されました。
留学中は6つの講義を履修するとともに、核熱流動計測技術の開発を進める木倉宏成研究室で研究に打ち込みました。私は、特にサブクール核沸騰プール中の気泡挙動および沸騰特性に関する研究に従事し、超音波流速分布計測やANSYSを用いたシミュレーションに関する新技術を開発しました。なかでも、革新炉設計コースの課題の一部として実施した海水脱塩用高温ガス炉の設計は、今回の研究活動のハイライトであり、このプロジェクトに参加できたことを誇りに思っています。
研究室のメンバーが本当に温かく迎えてくれたことにも感謝しています。先生や仲間たちと頻繁に集まり、深い信頼関係を築きながら、日本の大学文化に触れることができました。また、原子核工学という私の専攻分野において極めて重要な意味を持つ福島第一原子力発電所の訪問という貴重な機会もいただきました。
オフの時間は、大好きなロッククライミングに熱中しました。日本のクライミングコミュニティは世界トップクラスで、最高に楽しかったです。勉強の合間を縫って京都、大阪、奈良、広島、福島など各地を旅し、できるだけさまざまな日本食を試しました。
本当に思い出深い1学期でした。留学を検討している学生には、自信を持ってこのプログラムをおすすめします。