Tokyo Tech-MIT Student Exchange Program 2024留学報告

2025年6月17日 公開

3月5日、東京科学大学(Science Tokyo)の学生交流プログラム 「Tokyo Tech-MIT Student Exchange Program 2024」第6期生による留学報告会が行われました。

このプログラムは工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院の3学院とマサチューセッツ工科大学(MIT)原子力科学工学科とが結んでいる協定に基づく単位互換・授業料不徴収学生交流プログラムであり、MITが世界トップ大学6校のみと実施しているプログラムの1つです。なお、本協定はMIT先進原子力エネルギー研究センターと旧・東京工業大学 科学技術創成研究院(先導原子力研究所担当)の間で締結した部局間協定を基礎としています。
2019年度から始まったパイロットプログラムを経て、2021年度より正式なプログラムとして学生交流を実施しています。

2024年度は金本あゆみさん(工学院 電気電子系 学士課程4年)とシャーリア・アハメド・ファヒムさん(環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程4年)が2024年9月~12月の4ヵ月の留学期間を過ごしました。

交換留学の報告をする金本さん(奥左)とファヒムさん(奥右)

報告会では、若林則幸理事・副学長(教育担当)および井村順一理事(総合戦略担当)へ交換留学の報告を行いました。学生2人からは、極めて質の高い学修経験をしたことに加えて、Science TokyoがMITと同等の学力・研究力を有していると気付いたことが報告されました。また、本プログラムの実施部会委員長である、総合研究院の加藤之貴教授より、MIT教員から本学学生の高い学力、積極性が評価されたことも伝えられました。若林副学長と井村理事からは、このプログラムが本学学生の学修経験の充実と国際的な評価向上に寄与しているとの評価がありました。

(左から)若林副学長、ファヒムさん、金本さん、井村理事、加藤部会委員長

金本あゆみさんのコメント

MITへの留学を通じて、多くの貴重な経験を積むことができました。授業はLecture、Recitation、Lab、Psetで構成されており、特にLabでは原子炉の見学やロボット製作など実践的な学びが印象的でした。Psetでは、実験やレポート作成、参考文献の調査が求められ、時間をかけて深く考える機会が多くありました。
研究では、日本では実験主体だったのに対し、MITでは理論主体の研究に取り組み、新たな視点を得ることができました。特に英語での発表は大きな挑戦でした。最初は緊張して用意した原稿を読み上げるだけでしたが、経験を重ねるうちに自信がつき、帰国後の発表では落ち着いて話せるようになりました。
また、留学中は他の交換留学生と旅行を楽しみ、現地の方々とハロウィンやクリスマスを過ごすなど、多くの交流の機会がありました。フィギュアスケート部でのレッスンやスポーツ観戦、バレエ鑑賞も充実した時間でした。
この留学を通じて学問的な知識にとどまらず、自信や挑戦する勇気、傍で支えてくれる周囲の人々への感謝の気持ちなど、さまざまなものを得ることができました。留学を考えている方には、ぜひ挑戦してほしいです。不安もあるかもしれませんが、得られるものは大きく、きっと「行ってよかった」と思えるはずです。

野球観戦などプライベートも充実した時間を過ごした留学生活

シャーリア・アハメド・ファヒムさんのコメント

※参加者が英語で書いた感想を日本語訳して紹介します

私は、原子力科学の入門コース(22.01)とAdvanced NLP(6.8610)などの機械学習コースを受講しました。
22.01のコースで、まず原子核物理学について最も明確な知見を得て、その後は徐々に原子力工学の理解を深めていきました。原子力エネルギーのある社会を構築していきたいと考える人にとって、これ以上のコースはありません。6.8610のクラスでは、ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)の理論を深く学びました。このコースではグループでの最終研究プロジェクトがあり、MITの学生と共同で研究を行いました。
私たちが提案したモデルアーキテクチャをゼロからコード化するためのオンラインミーティングで、グループメイトと眠れない夜を過ごしたことを今でも覚えています。そして、私たちは最後の授業であるポスター・プレゼンテーションセッションで研究発表を行いました。この経験を通して私は、プログラミングスキルと、野心的な研究目標に挑戦する勇気を得ることができました。
コースワークとは別に、MIT Senseable City Labで行った研究では主にポスドク学生のもとで、異なる社会の状況下での人々の動きについて研究しました。
日々の生活では、MITのクラスメート、チューリッヒ工科大学、オックスフォード大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンなどからの交換留学生たち、そして教授たちとの関わりをとても大事にしていました。
私はMITで1セメスター(2024年秋)学びましたが、MITで学んだすべての瞬間に感謝しています。時には、近くの講義室に入り、情熱的な教授の話に耳を傾け、受講生たちの好奇心の高さに驚かされることもありました。
Science TokyoとMITのおかげで、私の記憶にいつまでも鮮明に残る素晴らしい経験をすることができました。

貴重な学修経験となったMITでの講義

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