近藤正聡准教授らが文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)令和7年度「秀でた利用成果」の最優秀賞を受賞

2026年2月16日 公開

東京科学大学(Science Tokyo)総合研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所の近藤正聡准教授らの研究グループは、文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM:Advanced Research Infrastructure for Materials and Nanotechnology in Japan)が主催する令和7年度「秀でた利用成果」において、利用課題「液体金属環境下における構造・機能材料の化学的共存性に関する研究」で最優秀賞を受賞しました。

ARIMは、ナノテクノロジープラットフォームのコンセプトを継承し、全国の大学、研究機関が保有する最先端の計測、分析、加工プロセス設備とその技術・ノウハウを、全ての産・学・官の研究開発者に提供しています。

受賞者

  • ユーザー:近藤正聡、萩原想大、北村嘉規(東京科学大学)、武藤龍平(東京工業大学、現・東京科学大学)
  • 実施機関担当者:松尾保孝、遠堂敬史、鈴木啓太、吉田すずか、平井直美、森有子、大多亮(北海道大学)
近藤准教授(左)と文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ秀でた利用成果選定委員会代表の曽根純一氏

今回の受賞課題では、レーザーフュージョンエネルギー(核融合)の液体金属ブランケット型エネルギー変換システムの信頼性向上と長寿命化を目的に、ARIMの共用設備(北海道大学 創成研究機構 マテリアル先端リサーチインフラ)である透過型電子顕微鏡やオージェ電子分光装置を利用して候補構造材の耐環境性向上メカニズムを明らかにしました。
レーザーフュージョンエネルギーはゼロカーボン社会を支える次世代の中核的社会インフラとして、最先端のマテリアル科学の実装による開発推進が期待されており、本受賞課題は、その実現に資するマテリアル先端リサーチインフラの利用成果です。

利用成果の概要

レーザーフュージョンエネルギー(核融合)の液体リチウム鉛合金(LiPb)ブランケットは、エネルギー変換システムとして高い信頼性と長期の寿命が期待されています。東京科学大学では、この液体LiPbブランケットの信頼性向上と長寿命化を目指し、先進構造材料である酸化物分散強化型(ODS)FeCrAl合金を対象にして、液体重金属環境下における化学的共存性の解明に取り組みました。北海道大学は、STEM/EDX等による先進構造材料の腐食組織のナノスケール評価や、材料が自己形成する表面保護膜の形態学的特性評価に関わる分析支援を行いました。これらの連携研究により、高温液体重金属流動下で構造材料の腐食進行を抑制しうる保護性酸化被膜の構造的健全性と機能特性を、世界に先駆けて明らかにしました。

酸化物分散強化型FeCrAl合金SP10(Fe15Cr-7Al-0.5Ti-0.4Y-0.4Zr-0.24Ex.O)が形成した酸化被膜の断面STEM/EDX分析@北海道大学ARIM。この酸化被膜は873Kの液体LiPb流動場においても、腐食に対する優れたバリア効果と剥がれにくさを発揮することが確認されました。
透過型電子顕微鏡を用いてFeCrAl合金が形成した保護性酸化被膜のナノスケールの微細組織を観察しました(北海道大学 創成研究機構 マテリアル先端リサーチインフラ)。

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総合研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所
准教授 近藤 正聡