東京科学大学(Science Tokyo)体育会ヨット部は、2025年9月から10月にかけて神奈川県三浦郡葉山町森戸海岸沖で開催された「第92回関東学生ヨット選手権大会」(秋インカレ)に出場しました。女子レースは470級で準優勝、決勝シリーズのスナイプ級は5位入賞となり2年連続で「第90回全日本学生ヨット選手権大会」(全日本インカレ)の出場権を獲得しました。
女子レース
9月14、15日に行われた女子レースでは、470級で準優勝、スナイプ級で7位の成績を収めました。女子470級での準優勝は創部以来初となります。秋インカレ女子レースは、スナイプ級と470級の2種目で総合成績を競い合う団体戦です。Science Tokyoヨット部女子はスナイプ級、470級にそれぞれ1艇が出場し、各クラスの成績を合わせた大学別の総合成績では準優勝となりました。
女子470級準優勝のメンバー
山田莉菜さん(生命理工学院 生命理工学系 学士課程4年)
笹澤愛未さん(物質理工学院 材料系 学士課程4年)
女子スナイプ級7位のメンバー
武田沙季さん(物質理工学院 材料系 学士課程2年)
鈴木晴菜さん(環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程3年)
出場メンバーのコメント
女子470級準優勝の山田・笹澤ペア
470級のヨットは、経験数によって艇速差ができやすく、未経験者が活躍するのはとても難しい艇種です。そのような厳しい環境の中で私たちは470級での活躍を目指し、4年間挑み続けてきました。このたび、ようやく悲願の入賞、そして創部以来初の470級での準優勝を勝ち取り、念願のトロフィーを手にすることができました。非常に嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです。ご支援・応援してくださった皆様に心より感謝申し上げます。
私たちペアは、大会直前に急遽結成されたチームであり、怪我の影響もあって十分な練習期間を確保することができないという逆境からのスタートでした。しかし、限られた時間の中で他チームの分析や風速や波などのコンディションを的確に捉え、変化に臨機応変に対応し、レガッタを通して安定した成績を残すことができました。
本大会では、経験豊富な強豪校との熾烈な優勝争いを繰り広げ、最終的には1位と同点という僅差で2位となりました。特に軽風域から順風域まで、幅広いコンディションにおいて安定して上位をキープできたことは、大きな自信につながりました。
ヨットレースにおける風向や潮の流れの予測、最適なコースの選択はまさしく、学業や研究における複雑なデータから法則を導き出し、未解決の問題に対して最適な解を導き出すプロセスに通じるものです。緊張感が高まる状況下でも最大のパフォーマンスを発揮できたことは、日頃からScience Tokyoで培っている論理的思考力と集中力が、実践の場で活きることの証だと感じています。
この貴重な経験を活かし、今後も学業や研究における壁にも臆することなく、冷静かつ粘り強く立ち向かってまいります。
女子スナイプ級7位の武田・鈴木ペア
このペアでは初めての女子レース出場でした。入賞には届きませんでしたが、前を走れる瞬間も多く、嬉しかったです。不安定な風と波で難しいコンディションの中、場面に応じて臨機応変に走らせ方を変えたりコースを組んで立ち向かったことは、学問における柔軟な考え方や引き出しの多さなど、多方面に通じることだと思います。これからも引き続き練習に励んでまいりますので、応援よろしくお願いします。
決勝シリーズ
10月11日~13日に行われた決勝では、15校が出場したスナイプ級で5位入賞を果たし、創部以来の最高順位を達成しました。秋インカレでは、各大学が級ごとに3艇の船を走らせ、その合計得点によって順位を競います。5位に入賞したことで、10月30日~11月3日に神奈川県藤沢市江の島で開催された「第90回全日本学生ヨット選手権大会」(全日本インカレ)の出場権を獲得しました。
全日本インカレへの出場は2年連続であり、春インカレと秋インカレ両方の入賞と合わせて、創部以来初の快挙となりました。
スナイプ級5位のメンバー
瀬高亮さん(工学院 システム制御系 学士課程4年)
関根拓豊さん(工学院 電気電子系 学士課程4年)
遠藤優さん(生命理工学院 生命理工学系 学士課程4年)
髙橋祐樹さん(情報理工学院 情報工学系 学士課程4年)
大谷龍星さん(理学院 地球惑星科学系 学士課程4年)
芳賀大和さん(理学院 化学系 学士課程3年)
出場メンバーのコメント
スナイプ級5位クルー・主将の髙橋祐樹さん
全日本インカレに出場するためには、“日本一激戦”と言われている関東の予選を勝ち上がり、さらに関東の決勝で上位に入る必要があります。10年前まで、Science Tokyo(旧・東工大)ヨット部は、予選の段階で厳しい戦いを強いられていました。しかし近年、練習について徹底して見直した結果、5年前に33年ぶりの全日本インカレ出場を果たし、今では「関東で一番練習している大学」とまで言われるようになりました。そして、以前は遠い目標だった「全日本インカレ出場」は、手にできる目標となってきました。ここ最近のチームの成熟度合いを受け、今年のチームはさらに一つ上の目標として「全日本インカレ入賞」を掲げて、1年間全力で取り組んできました。その結果、春インカレ決勝で6位、秋インカレ決勝で5位と、創部以来初の2期連続関東インカレ入賞を達成し、万全の状態で全日本インカレに臨むことができました。
全日本インカレでは、目標としていた入賞には届かなかったものの、関東の激戦を勝ち抜いてきた私たちらしいレースを展開することができました。この舞台に立ち、最後まで戦い抜くことができたのは、日頃から支えてくださっている多くの方々のご支援、ご声援があってこそだと、部員一同強く感じています。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
経験者に大きくアドバンテージがあるヨットというスポーツで、全員未経験者の私たちが地道な努力を続けることで経験者と互角に戦えるようになりました。突出したエースがいないからこそ、“チーム”としていい成績をあげるという一体感・団結力を培うこともできました。この2つの過程は、今後の研究や社会生活でも必ず生かせるものだと強く感じています。また、自分たちより2回りほど大きな体つきの他大学チームと張り合えたのは、レース中に最適なコースを選択したり、船の潜在能力を最大限に引き出した結果です。軽量でも風力を効果的に推進力に変えられる形状にセールを調節する技術も身に付けました。
現チームでの活動は、この全日本インカレをもって一区切りとなりました。昨年の悔しさを胸に、最後まで全力で戦い抜いたこの経験を糧に、今後も科学大ヨット部はさらなる高みを目指して歩み続けていきます。
引き続き、変わらぬご支援とご声援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
スナイプ級5位スキッパーの瀬高亮さん
この度、秋インカレにて5位入賞、そして創部以来初となる2年連続での全日本インカレ出場を果たすことができ、大変嬉しく思っております。
3日間にわたって行われたレースでは、台風の接近により風の強いハードなコンディションとなりましたが、夏休み期間中の練習の成果を生かし、チームメンバーと力を合わせて乗り越えることができました。
また本大会では、夏休みに実施したクラウドファンディングで皆様からご支援いただいた資金により購入したセールを使用しました。ご支援くださった皆様に、心より御礼申し上げます。
厳しいコンディションの中で挑戦を続けた今回の経験は、学業においても粘り強く取り組む姿勢の重要性を再認識させてくれました。日々の学びの中でも、目標に向かって継続する力を大切にしていきたいと思います。
全日本インカレでは、目標であった6位入賞には及びませんでしたがレースメンバーのみならずサポートメンバーも含め、1つの目標に向かい、チーム一丸となって戦えたのは大変貴重な経験となりました。全日本入賞は後輩たちが達成してくれると信じています。皆様、どうぞ引き続き体育会ヨット部の応援のほどよろしくお願いいたします。
スナイプ級5位スキッパーの大谷龍星さん
今大会は強風のレースが多く、判断力と操船の精度が問われる厳しいコンディションでした。その中でチーム全員が冷静に取り組み、関東秋インカレでの5位入賞を含め、全日本インカレまで戦い抜くことができました。日々の研究や授業と両立しながら活動できているのは、研究室や先生方のご理解、そして多くの方々の支えがあってこそだと感じています。心より感謝申し上げます。風や波を科学的な視点で読み、実践に生かしてきたこれまでの経験は、今後の学業や将来にも生かしていきたいと思います。
ヨットレースとは
ヨットレースは、海上に設置されたブイを決められた順番で規定回数通過してフィニッシュの順位を競うスポーツで、ヨットのスピードと進路の決め方が勝敗に大きくかかわります。ヨットのスピードを上げるには、刻一刻と変化する波や風に応じて、舵やセールを適切に調整しながら船を走らせる技術が求められます。一方で最適な進路を決めるためには先の風を読む力が必要で、高度な戦略や戦術が要求される頭脳スポーツでもあります。
スナイプ級は、メインセールとジブセールという2枚のセールを持つレーシング・ディンギーを使用します。スピードにあまり差が出ないため、風を味方につけ、他艇と駆け引きをしながらレースを展開する必要があります。船底にあるベルトに足をかけ、上半身を外に出してバランスをとり、艇の傾きを抑えます。
470級は、メインセールとジブセールのほかに、スピンネーカーというセールが付いたレーシング・ディンギーを使用します。受ける風が多いのでスピードは出ますが、バランスを崩しやすいため、艇の傾きを抑えるためにトラピーズというワイヤを装着し、艇の縁に足をかけて体ごと海上に乗り出してバランスをとります。
スナイプ級、470級ともに、スキッパーとクルーの2人1組で艇を操作します。スキッパーは主にメインセールの操作を担う艇の舵取り役、クルーは艇のバランスをとりつつ周囲の状況を踏まえて戦略やコースを決める役割を担います。
東京科学大学体育会ヨット部とは
本学の部活動としても歴史が古く、一般社団法人くらまえ潮会という会員数400人を誇るヨット部OB/OG会が、「一人前のセーラーを育てることは、すなわち一人前の社会人を育てること」をモットーに、現役部員の活動を全面的に支援しています。今回の大会への出場も、OB/OG会の支援を受けています。
関連リンク
ヨット部の活動は東京科学大学基金によりサポートされています。
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東京科学大学ヨット部
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