政策研究大学院大学(学長:大田弘子、GRIPS)と東京科学大学(理事長:大竹尚登、Science Tokyo)は3月3日、GRIPS × Science Tokyo 共創キックオフシンポジウム「未来社会をどう描くか -政策と科学技術のシナジーが拓く可能性-」を本学大岡山キャンパスで開催しました。
GRIPSとScience Tokyoは2025年10月、それぞれの政策研究と科学技術研究の知見と実績をもとに、科学技術・イノベーションのさらなる創出や人材育成、大学運営を推進することを目的とする包括連携協定を締結しました。両大学ではこの一環として、企業等を含む社会の様々な層の方々に参加してもらい、戦略的な科学技術政策構想について議論し、社会に発信することも計画しており、今回はその記念すべきキックオフシンポジウムです。
石川台7号館の三島ホールで開かれたシンポジウムには、関係者を含めて約80人が参加し、最初に本学の田中雄二郎学長とGRIPSの大田弘子学長が開会挨拶を行いました。
田中学長はまず、共創キックオフシンポジウムの開会を宣言。両大学が締結した包括連携協定の目的について「科学技術と政策という両者の強みを生かし、科学技術・イノベーションの高度化に貢献することにあります」と述べたうえで、「科学技術が先行し、政策が後追いでは足枷になってしまいますし、政策が進むと科学技術の方向性を示すことにもなります」とし、科学技術と政策が連携していく重要性に言及しました。さらに、「現代社会は多くの課題を抱えており、その中で科学技術・イノベーションは大きな役割を果たし得ます。この科学技術・イノベーションを真に生かすためには、科学技術の研究と政策の研究を融合した共同研究の推進が不可欠であると考えています。本日のシンポジウムは第一回目ですので、まずは政策と科学技術の接点、これを糊代(のりしろ)と呼んでいますが、糊代について議論するところからスタートしたいと思います」と語りかけました。
GRIPSの大田学長は「科学技術のめざましい発展は、夢物語でしかなかったことを実現させつつあります。と同時に、私たちの社会に、たいへん難しい問題を生じさせてもいます」とし、生成AIによるフェイク動画、無人兵器、遺伝子操作等を挙げ、技術的に可能であることと倫理的に実現させてよいこととの狭間が拡大している課題を指摘。こうした問題に対処するため、GRIPSでは政策的構想力研究センター、東京科学大学のI4Collectiveと、ともにシンクタンクを創設したことに触れ、「両大学の連携は、光と影がともに大きい科学技術の進歩とその社会実装を、より深く、多角的に研究するものになると確信しています」とコメント。さらに、政策と科学技術の接点(糊代)についても、「糊代は、普段は意識されにくいのですが、糊代が強く合わさっていないと、よい書物はできません。同様に、接点がしっかりと共有されていないと、双方が柔軟に発想を広げることはできません。きょうはその糊代を発見するために最適のご講演者、そしてパネリストをお迎えして、キックオフシンポジウムを開催できますことをたいへん嬉しく思います」と、参加者に感謝の意を示しました。
また、文部科学省科学技術・学術政策局長の西條正明氏が登壇し、来賓として挨拶を行いました。
基調講演1 上山隆大 内閣府本府参与、政策研究大学院大客員教授
「科学技術政策のフロンティアとこれからの大学の役割」
第一部ではまず、内閣府本府参与、政策研究大学院大学客員教授の上山隆大氏が「科学技術政策のフロンティアとこれからの大学の役割」と題し、基調講演しました。上山氏は、2016年4月から2025年3月まで、科学技術・イノベーション基本計画の検討などを行う政府の「総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)」の常勤議員を務めました。上山氏は、第6期と第7期の基本計画の策定に関わった経験をもとに、両期における基本的な考え方の違いや、今後の大学のあり方について語りました。
上山氏は、第6期の基本計画(2021〜2025年度)について、米国における1980年代からのニューエコノミーを支えた知的財産権、スタートアップ政策に倣い、科学技術自体の「進歩」ではなく、科学技術がどんな「価値」を社会に及ぼし得るのか、に重点が置かれたことや、このためイノベーションエコシステムの基盤としての大学システムの改革や、国際卓越研究大学やJ-PEAKSなど現在の大学支援策が生み出されたことを説明。一方で、第7期の基本計画においては、上山氏らが提案した「国家安全保障」が科学技術・イノベーション政策に初めて位置付けられたことを指摘し、次のように述べました。「昨今の大きな地政学的な変化のなかで、日本は科学技術でしか生きていくことができないという思いがあり、『国家安全保障』は絶対に入れるべきだと申し上げました。これが基本計画の大きな二つの柱のうちの一つに位置付けられたことは大変、喜ばしいことです。『国家安全保障』とはわが国の『国力』のことです。さらに言うと、我々の独特の社会秩序、社会観、生活の基盤を支えているのが科学技術であるなら、そのような政策を『国家安全保障』という名前で呼んでも良いのではないかという気持ちが強かったということです」
上山氏は「これは基本計画には書かれていませんが…」という前置きをしつつ、「国家安全保障」という言葉について、「国家が対峙している、対峙する可能性のある『迫り来る脅威』への『予見的(foresight)』『戦略的(strategic)』『予防的(preventive)』『拡張的(augmentative)』『防衛的(protective)』『外交的(collaborative negotiation)』な活動」と自らの定義を示し、「各国の事例を見ても、国家安全保障というと最初は軍事のことでしたが、近年は包括的な意味合いで、サイバーセキュリティ、気候変動の対策、産業のサプライチェーン保護、パンデミック対策なども入ってきています」と説明しました。
そのうえで、文部科学省だけではなく、経産省、厚労省、外務省、財務省、国家安全保障局なども加わり、「国家安全保障」という共通な理念のもと、「国力」を担う重要領域は何かを議論し、10分野の振興・基盤技術領域、6分野の国家戦略技術領域を導き出すことができたとし、「科学技術の上流から下流(企業活動)まで関する全ての領域について、80万人の研究者データを追いつつ、日本の勝ち筋、競争力、産業界とのつながりという視点から、議論して導き出したものです」「これこそが科学技術の政策と、国家安全保障という政策のシナジーが生まれてくるところ。基本計画を単なる科学技術政策ではなく、国家戦略へと昇華させていく一つのきっかけとなった、またそうなることを強く期待しています」と上山氏。また、高市政権による日本成長戦略会議が発表した17の戦略分野や、内閣府知財本部がまとめた国際標準戦略が掲げる領域ともほとんど重なっていることも付言。さらに、上山氏は、技術領域を設定したうえで、人材の育成、研究拠点、スタートアップ、標準化、外交まで一気通貫で進める必要性にも言及し、「当初は文部科学省だけでやっていた人材の育成や研究さえも、各省庁の資金が入る道を開いたということです。もはや縦割りの省庁だけでやれる仕事ではないと思います」と述べました。
最後に、高い研究力を持ち、産業競争力強化に貢献する、「新・科学技術立国」の核となる大学群を作り出すためには、研究力・人材、経営力、産業競争力強化への戦略、成長性、国際性が求められるとし、これからの大学の在り方として「フロンティア研究型」「政策シンクタンク型」「マス教育・ヒューマンエンパワー型」「産業リスキリング・就業直結型」「リージョナル型」の五つを挙げられました。政策シンクタンク型は、気候変動・感染症・防災・安全保障・AIガバナンスなどに対し、科学と政策、標準化などの政策提言を行う機能を担う大学で、スタンフォード大学やカリフォルニア大学バークレイ校、ハーバード大学などが先例として挙げられるといい、上山氏は「包括連携協定を結んだ政策研究大学院大学と東京科学大学も、このような方向性の中で、新しいビジョンを作っていくのではないかと思います」と述べました。
基調講演2 佐藤康博 みずほフィナンシャルグループ特別顧問
「『真の科学技術立国』へ向けて」
みずほフィナンシャルグループ特別顧問の佐藤康博氏は「『真の科学技術立国』へ向けて」と題し、基調講演を行いました。金融機関のトップとして日本の産業政策、経済政策に関わる一方で、政府の「総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)」の有識者議員を兼務する佐藤氏は、現在、AI、量子技術、バイオテクノロジー、エネルギーなど先端科学技術の開発が急速に進んでいるとし、「これらの技術は、人間社会の基本的な構造、私たちの思考形態(価値観、人生観、幸福感など)を変え、人間の存在意義さえも根底から問い直す圧倒的な革新性を持っています」と主張。これらの技術は、人間社会の利便性を大きく向上させる(コインの表)一方で、社会構造の急激な変化を伴う負の側面も持つ(コインの裏)ことから、「解決策への先駆的な対応が重要」と指摘しつつも、「人類最大規模の地経学上のGame changer=” Winner takes all”型の先端技術であるため、圧倒的な戦略性が不可欠になります」と強調しました。
この中で、日本が「真の科学技術立国」を目指すためには、現状を踏まえた成長エンジンが必要不可欠とし、「企業の収益の拡大、その後の経済成長がなければ、税収が伸びず、研究開発予算の拡大や外部流入資金の拡大も起きません。この経済成長のサイクルを回さなければ絶対に研究力は強くなりません。これこそが、(基本計画の答申素案が言及した)科学とビジネスの近接化の本質的な意味です」と解説しました。
大学が行う「基礎研究」「応用研究」を、社会的な課題解決やビジネス目的の「社会実装」に導くためには産業界との連携が求められますが、その間にある「エンジニアリング」を担うプレーヤーが不在という点について、「両者の間に死の谷があり、連携が有機的に機能していませんでした」と佐藤氏。「この死の谷を乗り越えるためにはアカデミアと産業界が連携し、シームレスにつながるだけではなく、各プロセスでアカデミアと産業界で双方にとって有益な情報交換が行われる必要があります」とし、うまく機能している例として、産業技術総合研究所(AIST)と産業界の中間に位置する株式会社AIST Solutionsを挙げました。
佐藤氏は、この事例をヒントに、大学側は大学内の研究内容を熟知し、産業界との橋渡しをコーディネートする人材を育成・強化し、企業側は、大学側に製造技術の提供や、市場化・資金化に関わるノウハウの提供、社会実装までの道筋を示すことが必要とし、さらに産業界とアカデミアの人材交流促進の仕組みづくりなどを加えた、新たな産学官エコシステムの概念を説明し、「このエコシステムの構築により、わが国の科学技術・イノベーション力と市場支配力が並行して強化され、持続的な経済成長を実現させるサイクルを実現してほしいと思います」と語りました。
第7期科学技術・イノベーション基本計画では、「国家安全保障」を柱の一つに据えて省庁間の連携を強めたことに改めて言及する一方、グローバルサプライチェーンを意識して日本の勝ち筋を模索することや、民間と軍事のデュアルユースの技術開発についてアカデミアが方針を決め、研究セキュリティ・インテグリティを強化する重要性を強調。また、わが国が目指す「科学技術立国」について、①科学技術振興の目的を、人間社会の諸課題の解決策の提示と一人ひとりのWell-beingへの貢献、持続的な経済成長の実現、の2項目と定める。②覇権主義、侵略主義、自国第一主義を排し、科学技術振興の成果を人類社会の持続可能性強化とWell-being達成のために活用する強い意志を持った国家として、独自の地位を確立する。③グローバルサウスを含めた世界各国が、日本が目指す科学技術・イノベーション振興の意味を理解し、リスペクトすることで、日本が国際社会の中で名誉ある地位を確立すること---と自身の考えを説明しました。
日本が1990年代以降、経済成長が停滞した「失われた30年」にも触れ、「相対的にわが国が貧しくなりつつあるということだと思います」。科学技術立国への道について、佐藤氏は「科学技術力の強化と経済の持続的成長の実現という大きなチャレンジであり、わが国の有り様を根本から問い直す重要なテーマであると同時に、戦後のレジームが崩壊しつつあり、さまざまな分野で価値観が交錯し、社会の混乱が拡大していく現在、わが国の将来を規定する重要性を持っています」。さらに、「これから先端科学技術が次々に生まれ、社会構造や人間のあり方が問われる時代がやってきます。コインの表と裏を調和させて、日本型の科学技術立国を実現させていく中で、東京科学大学と政策研究大学院大学の包括連携協定は、極めて重要な意味を持っています」と指摘し、基調講演を締めくくりました。
パネル討論
「政策と科学技術との接点から生まれる新しい価値」をテーマに議論
引き続き行われたパネル討論では、政策研究大学院大学の林隆之教授、隅藏康一教授、東京科学大学の岡田健一教授、遠藤明史特任准教授、ソフトバンク先端技術研究所の嶋田義皓氏、文部科学省科学技術・学術政策研究所の岡村麻子氏がパネリストとして登壇。東京科学大学の佐藤勲特命教授(理事長・学長特別補佐)がモデレーターを務め、「政策と科学技術との接点から生まれる新しい価値」をテーマに、戦略的な科学技術政策の構想について議論しました。
パネリストがそれぞれ自己紹介する中で、東京科学大学の岡田健一教授は「科学技術を国力と結びつけ、重点分野を決めて進める価値はあると思いますが、選ばれなかった分野の研究者はどうなるのかという気持ちもあります。分野によって科学技術に色をつけることに拒否感を覚える先生もいるのではないかと。私自身も、政治と研究を絡められるのは気持ちの整理がなかなかつかないところでしたが、本日のお話を聞くと、これからは考えるべきなのかなと感じたところです」と複雑な胸の内を明かしました。
科学技術から見た政策、政策から見た科学技術のギャップの存在について、政策研究大学院大学の林隆之教授は「科学政策を考える基本的な枠組みとして、プリンシパル(研究資金を提供する政府)-エージェント(研究実施者)理論というのがあります。科学者は自らの知的好奇心で勝手に動き、政府は社会の課題解決などに役立つ研究をしてもらいたいが、本当にやってもらえるかわからない。これをどう解くか、というのが科学政策の大きな問題であると考えられています。この解答は、中間組織(資金配分機関など)を置いてプログラムを作ることです。そこには研究活動のことも、政策のこともわかる、翻訳ができるような立場の人を配置して、ミッション・インスパイアードの研究開発を促し、その中で産学連携などを義務付けるなどして、緩やかに方向性を変えて行くのが基本的な考え方です」と述べました。政策研究大学院大学の隅藏康一教授も「全ての大学の研究がイノベーションに結びつく必要はありません。研究者の興味に基づく研究をしている中から、また長年にわたる研究の蓄積から社会実装に結びつくものがあった場合、企業と繋いでイノベーションを生み出すということで良いと思います」と発言。また、文部科学省科学技術・学術政策研究所の岡村麻子氏は「SciREX事業 の立ち上げ期にかかわりましたが、当時も同様の議論があり、研究者と政策担当者との間には共通言語がないので、ギャップが生じてしまうということもありました。しかし、研究者と政策担当者が対等な立場で一緒に研究アジェンダを作る、共通言語化を進めるためにコアコンテンツを作るなどの取り組みを継続して行くことが、ギャップを乗り越えるきっかけになり得ると思います」と提案しました。
東京科学大学の遠藤明史特任准教授も「研究アジェンダの提案を、資金配分機関の方と研究者が一緒に作るというのは良いアイデアだと思います」と述べました。また、ソフトバンク先端技術研究所の嶋田義皓氏は「科学技術研究と政策研究は、同じ科学なので方法論なども似ていてギャップは少ないと思うのですが、政策実務と政策研究または科学技術研究の間のギャップは大きいのではないかと思います」と、様々なギャップの所在に言及しました。
話題は、SciREX事業で取り組んできたEBPMに移り、林教授は「実務者と政策研究者が一緒に研究すればうまくいくのかと思いましたが、それほどシンプルではなかったです。ただ、科学の専門的な知識に基づくエビデンスだったら行政官も受け入れてくれる可能性があり、今後の方向性としてあり得るのではないかと思います」と、可能性を示唆しました。しかし、佐藤特命教授は「エビデンスに基づく政策でも自分の研究領域が含まれないとわかったとき、余計に疎外感を感じて、政策から距離を取る可能性はないか」。岡田教授も「これから価値が出てくるかわからないものには、エビデンスはありません」と疑問視。林教授も「科学技術の研究テーマに対して価値付けをするのは難しいです。一方で国力とか社会課題とか、科学技術でないところの視点を持ち込み、シナリオを作るということかと思います。重要技術を選ぶことには私も違和感があります。重点化するのであれば、新しいテーマを早期に発見する工夫や、プロジェクトマネジャーが産業界を見渡し、新たな科学技術の芽を集めるなどの仕組みを、盛り込むべきだと思います。大学の中の方が、情報を集める仕組みは作りやすいかもしれません」と、にわかに議論が白熱することに。
ここで意見を求められた上山氏は「霞が関だけで政策は作れません。この複雑化した社会の中でエビデンスを積み上げ、政策を作ることは絶対できません。そのためにエビデンスや現場の情報を吸い上げる仕組みを盛り込んだ、グレーター霞が関を作る、それがシンクタンク機能の意味です。問題は学術界における公的資金をどのように増やすかで、今は国家安全保障が一番効く。政策とは関係なく、自分の興味に基づく研究をしたい人は、むしろ大歓迎です。その中でミッション・ドリブンの研究を引き受ける人がいるなら、現場と対話しながらアジェンダを作り、霞が関に上げていくようにすれば良いと思います」と説明しました。
最後に佐藤特命教授は「科学技術と政策、お互いの対象は異なるが、お互い研究者なので、研究は基本的には興味・関心に基づくものです。ただ、言葉の壁もあるので、交流の機会を増やしたいと思います。工学に近い科学技術では『産学連携などするな』と言われた時代もありましたが、今では当たり前となりました。将来的には政策に類する研究を当たり前にする時代が来ると思います。今後、東京科学大学と政策研究大学院大学の連携が深まるということに期待を持って頂ければと思います」とまとめ、パネル討論を締めくくりました。
(注)SciREX事業 : 文部科学省が2011年度から15年間、科学技術・イノベーション政策でEBPM(客観的な証拠に基づく政策形成)を実現させる目的で取り組んできている「科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業」(SciREX事業)のこと。
大竹理事長が閉会の挨拶
「研究の総和として、未来の方向性を見せたい」
最後に大竹尚登理事長が登壇し、「あっという間に時間が過ぎた印象です。冒頭、田中学長と大田学長から『糊代』という言葉がありましたが、言葉の『糊代』も必要なのかなと。最初のシンポジウムということで、端緒としては大変活発な議論ができたと思います」と感想を述べ、全体の議論を自ら整理したスライドを投影しながら説明。科学技術と政策との糊代について「政策と科学技術では言葉が通じない、そのためには自由でフラットな議論も重要であることがパネル討論で示されたと思います」と総括する一方、導出された結論として、「研究者の興味・関心に基づく研究を、社会課題の解決やビジネスなどの目的に結びつけるには、ミッション性のある研究開発を国の資金配分機関を介して進めていく方法がある」「エビデンスの不確かな未来の重要な科学技術を、重要研究と並行して提示していくことは重要で、大学の果たす役割が大きい」「霞が関の限界と、グレーター霞が関としてのシンクタンク機能」「サプライチェーンの中で戦略的に不可欠な科学技術を見出すことが、Unknown unknowns(知らないことすら知らないこと)の答えの一つになる」「科学技術立国として誇れる日本を見せることが重要」などを挙げました。最後に「研究者の興味・関心に基づく研究の総和として、未来の方向性を見せること、これが両大学でできれば素晴らしいのではないかと思いました。そのために今後も議論を深め、本日ご参加の皆様も一緒に活動し、応援していただきたいと思います。本日は誠にありがとうございました」と感謝の言葉を述べ、約2時間半に及ぶ共創キックオフシンポジウムを締めくくりました。