概要
東京科学大学(Science Tokyo) 工学院 システム制御系の天谷賢治教授、同学院 機械系の干場功太郎助教は、JFEエンジニアリング株式会社と共同で、風力発電設備の風力発電ブレードを対象とした音と動画の組み合わせによる異常検知技術を世界で初めて*1開発いたしました。本技術開発は、2022年に東京工業大学(現Science Tokyo)内に開設した「JFEエンジニアリング カーボンニュートラル協働研究拠点」における取組みで行われ、JFEエンジニアリングが開発コンセプトの立案・データ収集・機器開発を、東京科学大学が理論の構築・データ検証を担いました。
国内外で風力発電は普及、拡大が大きく期待されており、発電設備の安定稼働実現に向け、効率的な維持管理技術の確立が求められています。中でも、現状の風力発電ブレードの点検は、風車を一旦停止した上で、高所作業を伴う目視、もしくはドローンなどを利用した外観検査を実施する形で行われており、設備停止による発電量低下や点検コスト増大の原因となっています。
これらの課題を解決するためJFEエンジニアリングとScience Tokyoは、風力発電設備を停止することなく、かつブレードにセンサ等を設置せずに遠隔から風車ブレードの異常を検知することが可能な、2つの技術を開発しました。
音による異常検知技術
風力発電設備のタワー基部に音響収録装置を設置し、ブレード表面の損傷から発生する異音を計測します。異音の発生源が風車の回転に伴って移動することで生じるドップラー効果*2を利用して異音の検出、損傷位置の特定、損傷の評価を行います。
動画による異常検知技術
風力発電設備のタワー基部にカメラを設置し、ブレードの動画を撮影します。動画を分析して固有振動数を導出、固有振動数の変化量からブレードの剛性低下を推定します。
それぞれの技術の特長として、音による異常検知技術はブレード表面の損傷検知、動画による異常検知技術はブレード内部の損傷検知に適しています。個別の運用も可能ですが、2つの技術を組み合わせることにより異常検知の信頼性が向上し、損傷の早期発見が可能となります。なお、これらの技術は特許出願済みです。
JFEエンジニアリングは、Science Tokyoと連携し、風力発電ブレード異常検知技術の早期の社会実装実現に向け、取り組みを進めてまいります。
*1: JFEエンジニアリング調べ(2026年1月)
*2: 波源(音源など)または観測者、あるいはその両方が相対的に運動している際に、観測者が観測する振動数(音の高さなど)が波源本来の振動数と異なって変化する現象のこと
風力発電ブレード異常検知技術の概要
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- 2026年1月28日 タイトルを変更しました。
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