「第4回オープンハートキャンパス at 東京科学大学」を文科省委託事業として開催

2026年7月28日 公開

重度心身障がいのある若者と「同級生」として共に学ぶ未来を創造

東京科学大学(Science Tokyo)の公認サークルaile(エール)は、5月30日、湯島キャンパスにて「第4回オープンハートキャンパス at 東京科学大学」を開催しました。本企画は、「大学に行きたい」という夢を持つ重度障がいのある方々に、本学キャンパスで「一日学生」として過ごしてもらい、同世代の友人と深く交流する機会を提供することを目的に取り組んでいるものです。

4回目となった今回は、Science Tokyoが受託した文部科学省委託事業「障害者の高校卒業後の学びのモデル構築」の一環として実施されました。企画を単発の取り組みに終わらせることなく、他地域へ展開可能なモデルとして活用できるよう、知見の蓄積を始めたところです。

さらに今回は、学内のメンバーにとどまらず、お茶の水女子大学や東洋大学など他大学の学生が参加。大学や専門分野の垣根を越え、総勢30人近くの多様なバックグラウンドを持つ学生たちが集まり、温かいエネルギーに満ちた特別な一日をつくりあげました。

学生による2つの特別な「大学の授業」

当日は、学生が「同じ講義を受ける同級生」として参加者を温かく出迎えました。今回のオープンハートキャンパスでは、理工学系のエッセンスとアートを掛け合わせた、学生による2つの魅力的な授業が行われました。

1. 数学:レゴで学ぶ! 組み合わせのふしぎ

最初の授業の講師は、浦田櫂利さん(理学院 物理学系 学士課程4年)が務めました。講義では、身近な「レゴブロック」を教材に、数学の「組み合わせ論」について学びました。パーツの種類やPCソフトを使った制作の裏側を紹介した後、演習として「2×4のブロック6つで、何通りの組み合わせができるか?」という問題に全員で挑戦しました。その答えはなんと「9億1510万3765通り」! 数学によって明らかになる無限の可能性に、参加者からも学生からも驚きの声が上がりました。無限の可能性を持つブロックを通じて、組み合わせが生む数学の奥深さと科学の面白さを体感しました。

数学の講義の様子
レゴを使った組み合わせについての演習

2. コラージュ:世界に一つだけのコラージュアルバム作り

続いての授業は、半藤由真さん(医学部保健衛生学科看護学専攻4年)が講師を担当。写真や紙、ステッカー、イラストなどの素材を自由に組み合わせる表現技法「コラージュ」について学びました。参加者全員がアルバム台紙と写真、たくさんのシールやペンを使い、「世界にたった一つだけの作品」づくりに挑戦。学生たちと視線を合わせ、手振りや表情、目線で「どれにする?」「これかわいいね!」と意思を伝え合いながら、それぞれの個性がきらめく素敵なアルバムを完成させました。

授業の後半には、音楽やライブ映像に合わせてペンライトを振りながらみんなでダンスを踊る「推し活」も行われ、教室全体の盛り上がりは最高潮に達しました。最後に、一日の思い出や感想を綴る「リアクションペーパー」を記入し、充実したキャンパスライフを締めくくりました。

コラージュの講義の様子
グループに分かれてコラージュを制作
学生たちと意思を伝えあいながらアルバムを完成
教室全体が盛り上がった「推し活」

「同級生」として向き合う中で生まれた、心の通い合い

活動後の振り返りでは、初めて参加した学生からも多くの感動の声が上がりました。「最初は緊張したけれど、相手を知ろう、一緒に楽しもうと一歩踏み出すことで、目の動きや少しの表情の変化でしっかりと意思を伝えてくれていることが分かった」「授業中に自然と周りの席のみんなと盛り上がることができ、最高の時間を共有できた」といった声が聞かれ、手話や視線、身体の動きを通じた多様なコミュニケーションにより、確かな学びと絆が生まれていました。

重度障がいのある方にとって、大学進学という選択肢をとることは未だに難しいのが現状です。

本学は、このオープンハートキャンパスを通じて「誰もがキャンパスを訪れ、共に学べるチャンス」の創造に取り組み続けます。文部科学省委託事業としての社会的責任や大学での研究連携も視野に入れながら、多様な学生が自然に混ざり合い、共に時間を共有できるインクルーシブな社会の実現を目指して、これからも歩みを進めていきます。

終了後に参加者と学生とで記念撮影

関連リンク

お問い合わせ

aile