女性活躍応援フォーラム2026「明るい未来を創るサイエンスに出会う!」 を開催

2026年10月26日 公開

9月27日、東京科学大学(Science Tokyo)大岡山キャンパスおよびオンラインにて「女性活躍応援フォーラム2026『明るい未来を創るサイエンスに出会う!』」を開催しました。

本フォーラムは、女子の理工系進路選択を応援し、社会課題の一つである女性理工系人材の育成や裾野拡大を目的に、Science Tokyo社会連携・DE&I本部DE&I部門が主催したものです。当日は会場とオンラインを合わせて約300名の皆さまにご参加いただきました。
フォーラムでは、化学と生物の融合研究の最前線を紹介する基調講演や、現役学生によるパネルトーク、大学紹介などを実施しました。司会の学生が参加者と登壇者をつなぐ役割を担い、理工学の学びや大学生活を身近に感じながら、その先に広がる多様な可能性について考える一日となりました。

司会の吉田あかりさん(左・生命理工学院修士課程2年)と小川璃音さん(右・物質理工学院修士課程2年)

開会挨拶:科学は皆さんを待っている

開会にあたり、大竹尚登理事長は、東京医科歯科大学と東京工業大学の統合により誕生したScience Tokyoについて紹介し、統合から2年が経過して、理工学と医歯学の連携による新たな研究や教育が進んでいることに触れました。
AIや医療、宇宙などの分野を例に挙げながら、「わからないこと」はまだ数多く残されており、それらを解決するためには、一つの考え方だけでなく、多様な視点や発想が必要で、多様な人たちが必要であると述べました。
そして、「大学は、社会は、そして科学は皆さんを待っています」と参加者へ力強いメッセージを送り、理工学分野への挑戦を後押ししました。

開会挨拶をする大竹理事長

基調講演:生命科学を切り拓く“見る技術”

基調講演では、総合研究院化学生命科学研究所の神谷真子教授が「生命科学を切り拓く革新的バイオイメージングプローブの開発」と題して講演を行いました。
神谷教授は、自身の研究者としての歩みを振り返りながら、生命現象を可視化する技術の重要性について紹介しました。

基調講演を行う神谷教授

講演では、蛍光灯や蛍光ペン、栄養ドリンクなど身近な例を用いて蛍光現象の仕組みを分かりやすく説明し、その技術が生命科学研究にどのように活用されているのかを解説しました。神谷先生の研究室では、特定の分子や酵素に反応したときだけ光る「蛍光プローブ」の開発を進めています。特に、がん細胞で発現する酵素を蛍光プローブによって高感度に検出することで、小さながん病変やリンパ節転移を早期発見できる可能性が示されました。これらの技術は、がんの早期発見にとどまらず手術時の診断支援など、将来的な医療への応用が期待されています。さらに、一細胞レベルでの観察技術や、ラマンイメージング、超解像イメージングといった最先端技術の研究についても紹介されました。

栄養ドリンクが発光する様子
基調講演のオンライン画面「化学プローブ(蛍光プローブ)とは」
基調講演のオンライン画面「開発に携わった蛍光プローブの例」

講演の最後に神谷教授は、「中学・高校で学んだことが今の自分をつくり、中学・高校の友人は一生の友人になっている」と語りました。そして、学校での学びだけでなく、さまざまな体験や人との出会いを大切にしながら、変化の大きい時代を柔軟に乗り越えていってほしいと、中高生にメッセージを送りました。

基調講演後は、今回のフォーラムをはじめ本学の女性活躍推進の取り組みに賛同し支援する企業6社による、自社の女性活躍への取り組みや女性社員の活躍の様子などを紹介する動画を、会場とオンラインで上映・配信しました。

学生パネルトーク:理工学系を選んだ先輩たちからのエール

続いて行われた学生パネルトークには、理学院、工学院、情報理工学院、生命理工学院、環境・社会理工学院に所属する5名の学生が登壇しました。
パネリストたちは、それぞれの進路選択のきっかけや現在取り組んでいる研究、留学経験、課外活動について紹介しました。物理学やロボティクス、情報工学、生命科学、エンジニアリングデザインなど、多様な分野で学ぶ学生たちの経験からは、理工学の世界の広がりが伝わってきました。

野村DE&I部門長
浦田櫂利さん(理学院学士課程4年)
黒田未知さん(工学院学士課程4年)
伊藤史織さん(情報理工学院修士課程1年)
山崎萌衣さん(生命理工学院 修士課程2年)
二木 結子さん(環境・社会理工学院修士課程2年)

また、多くの学生が「大学入学時に将来の目標が明確だったわけではない」と語ったことも印象的でした。研究や留学、サークル活動、学生団体運営などに挑戦する中で、自分の興味や進みたい道を見つけてきた経験が共有されました。
パネリストたちは、「興味を持ったことにはまず挑戦してみてほしい」「失敗を恐れず行動することが、自分の可能性を広げることにつながる」と中高生へエールを送りました。

大学紹介:多様な人材が活躍できる環境づくり

大学紹介では、桑田薫執行役副理事が、Science Tokyoの教育・研究環境やDE&I(Diversity, Equity & Inclusion)の取組について説明しました。
多様な背景を持つ学生が能力を発揮できる環境づくりを大学全体で進めていることや、留学制度、学生支援、キャリア支援などについて紹介。また、理工学分野で学ぶ女子学生の現状や卒業後の進路についてもデータを交えながら説明し、研究職や技術職をはじめ性別にかかわらず幅広い分野で活躍していることが示されました。

桑田執行役副理事による大学紹介

閉会挨拶

閉会にあたり、井村順一理事が登壇しました。講演を振り返り、最先端の研究に挑むワクワクとした気持ちが参加者に伝わったのではないかと述べました。また、パネルトークに登壇した学生たちの生き生きとした姿に触れ、本学には一人ひとりが挑戦し、自らのやりたいことを実現できる環境があると語りました。
さらに、統合を経て新たな歩みを進める本学について、互いの違いを尊重しながら新たな価値を創出していく姿勢こそが本学の強みであると強調し、多様な学生がそれぞれの可能性を最大限に発揮できる大学を目指していきたいと述べ、締めくくりました。

閉会の挨拶をする井村理事

特別プログラム:先輩とのトークタイム

フォーラム終了後には、会場参加の中高生を対象に「先輩とのトークタイム」を開催しました。登壇した学生5名と司会の学生2名が参加し、自身の経験を交えながら進路選択や大学生活について参加者の質問に答えました。世代の近い先輩との対話を通じて、理工系進学や将来のキャリアについて具体的なイメージを深める機会となりました。

パネルの前で中高生の質問にこたえる学生の様子

参加者の声(アンケートより)

  • どの研究室もどの学生さんも生き生きと挑戦を続けていることが分かりました。私も将来の夢に向かって努力できるよう頑張っていきたいと思います。(高校生・受験生)
  • 大学の進路を考える上でとても参考になりました。とても面白かったです。(高校生・受験生)
  • バイオイメージングプローブの研究において、回折限界の課題を新たなアプローチ方法で乗り越えられたお話がとても興味深かったです。(高校生・受験生)
  • とても興味深く、大学の良さ、学生さんの素敵さ(学び・立ち振る舞い)などを感じました。親の私がわくわくしました。(保護者)
  • 基調講演もパネルトークも大変、聞きごたえがあり、面白かったです。東京科学大学で学ばれている学生さんの様子がよく分かりました。(学校教諭)

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