
東京工業大学※の工学院、物質理工学院および環境・社会理工学院(以下、3学院)は、毎年8月に「多専門領域にわたる国際学生ワークショップ」(MISW、Multidisciplinary International Student Workshop)を開催しています。上記3学院に所属する大学院生と「アジア・オセアニア工系トップ大学リーグ」(AOTULE、Asia Oceania Top University League on Engineering)加盟大学の学生が主に参加します。異なる分野を研究する学生との議論を通じて方法論・価値観・世界観の交流を深め、多文化共生と世界的課題に対する新たなイノベーションを模索することを目指しています。
2019年まではAOTULEサマープログラムなど3学院主催の学生交流プログラムに参加した留学生を迎えて対面でワークショップを開催してきましたが、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止、2021年はオンライン開催、2022年は対面とオンラインのハイブリッド開催となりました。2023年から再び完全対面でのワークショップを行っています。第15回目の開催となる2024年は8月5日、6日の2日間でワークショップを行い、東工大から56人、AOTULE加盟大学のうち9校(清華大学、香港科技大学、国立台湾大学、韓国科学技術院、南洋理工大学、ハノイ工科大学、インド工科大学マドラス校、モラトゥワ大学、チュラロンコン大学)から12人、「アジア・アセアニア戦略的大学交流プログラム」(AOSU、Asia – Oceania Strategic Universities Exchange Program)から1人、合計69人の学生が参加しました。
ワークショップ1日目は、東工大の益一哉学長(当時)の開会の挨拶より始まり、続いてAOTULE加盟大学9校の留学生がそれぞれの所属大学を紹介しました。その後、6人の参加学生によるポスター発表、続いて、2日目の午前にかけて2つの会場で口頭発表が行われました。1人あたり発表10分、質疑応答4分の持ち時間で進行し、座長は参加者の中から選ばれた学生が務めました。発表、質疑応答は全て英語で行われました。

2日目の午後には、東工大 科学技術創成研究院 ナノ空間触媒研究ユニットの教授でありiPEACE223株式会社取締役CSOの横井俊之氏が「カーボンニュートラル実現に寄与するゼオライト触媒プロセス」という題目で基調講演を行いました。メタノール-オレフィン、メタン-メタノール転換反応などにおける、触媒材料として注目されているゼオライトを用いたカーボンニュートラルな化学反応プロセスなどを学び、活発な質疑応答が行われました。

学生による研究発表は3学院の教員によって多角的な視点から評価され、最優秀講演賞に1人、優秀講演賞に5人の学生が選ばれました。受賞した学生は次のとおりです。(所属は当時)
最優秀講演賞
- 渡部梨花さん(物質理工学院 応用化学系 修士課程1年)
優秀講演賞
- Singh Diksha(シン・ディクシャ)さん(工学院 電気電子系 修士課程2年)
- Tan HongGuan(タン・ホン・グアン)さん(工学院 機械系 博士後期課程1年)
- Xing Yipeng (ケイ・イチホウ) さん (環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程2年)
- Zhang Zhuohao (チョウ・タクゴウ) さん(工学院 機械系 修士課程2年)
- 下岡大樹さん(工学院 機械系 修士課程2年)

ワークショップ参加学生のうち、受賞者を含め優秀な発表を行った東工大生10人が2024年11月にバンドン工科大学が主催する AOTULE学生ワークショップに参加する予定です。
なお、今回の国際学生ワークショップ開催の準備および当日の進行は、次の学生委員によって行われました。(所属と学年は当時)
学生委員
- 中原康太さん(物質理工学院 応用化学系 博士後期課程3年)
- Yuejie Tan (タン ユエジェ)さん(工学院 電気電子系 博士後期課程1年)
- 大橋夏樹さん(環境・社会理工学院 土木・環境工学系 博士後期課程1年)
※東京工業大学は、2024年10月に東京医科歯科大学と統合し、東京科学大学(Science Tokyo)となりました
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MISW事務局
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