ジョージア工科大学教員による「グローバルリーダーシップ実践 2026」を実施

2026年7月20日 公開

アントレプレナーシップ教育機構グローバル教育実施室は、「2026年度 グローバルリーダーシップ実践(ENT.L457)」を6月9日(火)から26日(金)まで開講しました。全10回のうち、第6回まではオンライン、第7回以降は対面で実施しました。協定校であるジョージア工科大学(米国ジョージア州アトランタ)のリーダーシップ教育開発(Leadership Education and Development) プログラムディレクターであるステイシー・ドレマス講師によるこの集中講義は、2018年度から開講され、9回目となる今年度は23名の学生が履修しました。ドレマス講師のリードのもと、履修生はグループディスカッションを中心として、クラスメートと積極的な交流を展開しました。「グローバルリーダーシップ実践」は、ワークショップや事例研究、ディスカッション、自己分析などを通じて、グローバルな環境で自身や周囲の人々の価値を認識し、目的を実現するためのリーダーシップに必要な要素を学ぶことを目的としています。

国際色豊かな履修生

23名の履修生の出身国・地域は、日本(4名)、スウェーデン(3名)、中国、フランス、インド、シンガポール(各2名)、ドイツ、香港、イスラエル、モンゴル、パキスタン、フィリピン、トルコ、バングラデシュ(各1名)と、多様な顔ぶれでした。教員はアメリカ出身、ゲストスピーカーには本学卒業生であるベトナム出身者と日本人を迎え、多様な背景を持つ参加者や講師との交流を通じて、多角的な視点から学びを深めました。
日本人学生には留学経験者や留学を希望する学生が多く、多様なバックグラウンドを持つ履修生とのグループワークやディスカッションに積極的に取り組み、国や文化の違いを越えた活発な交流が展開されました。

国際色豊かな履修生

参加型の授業・アクティブラーニング

この授業は、ジョージア工科大学で実践されているリーダーシップの授業を基に、過去8回の履修生からのフィードバックを反映し、内容を発展させたものです。
アメリカ型の授業では、予習・復習に加え、授業中の積極的な発言が求められます。本講義でも、開講前からリーダーシップに関する課題図書2冊の読了や、リーダーシップやチームワークに関するエッセイの提出が課されました。また、履修生を対象に事前のオンラインオリエンテーションを実施し、全10回の授業内容のポイントや課題をまとめたマニュアルを配布しました。履修生はマニュアルで授業の進め方や課題をあらかじめ把握することで、日本人学生を含め、グループワークやディスカッションにも積極的に参加することができました。

対面での講義の様子

授業はすべて英語で行われました。前半のオンライン講義では、学生の参加を促す学習プラットフォーム「Pear Deck」を活用し、その日の気分や教員からの問いに対して履修生全員が意見を投稿し、クラス内で共有しました。休憩時間には、それぞれの出身国で人気のある音楽を紹介し合うなど、異文化交流も積極的に行われました。
また、対面講義に先立ち、多様な文化背景を持つ履修生同士が互いの価値観への理解を深めるため、100枚のカードを用いて自分が大切だと考える価値観を選択し、共有するセッションを実施しました。

異文化でのチームワークから学ぶ

後半の講義では、履修生が教室に集まり、チームワークについて学びました。このセッションでは、目標を達成するためにはメンバーそれぞれの長所や強みを生かしながら、協力して取り組むことが重要であるとの考え方のもと、異なる文化的背景や専門分野を持つメンバーと協働し、課題を解決・調整する力を養いました。

実践では、段ボールやペットボトルなど10種類の素材を用いて、チームごとに「世界の課題を解決する画期的なシステム」のプロトタイプを制作しました。履修生は、ゴミを自動で仕分けるロボット、混雑時でも必要な小物を取り出しやすいウェアラブルバッグ、患者ごとの滅菌器具をまとめる医療バッグ、海底ごみを回収・選別する装置、野良猫を守る自動給餌機能付きシェルター、大気汚染から肌を守る未来型フェイスデバイスなど、多様なアイデアを形にしました。こうした活動を通じて、共通の目標に向かって協力し、チームとして成果を生み出すために必要な考え方や手法を実践的に学びました。

ゴミ仕分けロボット
パーソナルスペースボックス
医療用交差汚染防止バッグ
海底ゴミ回収装置
猫シェルター
大気汚染から肌を守る

また、各国のリーダーシップスタイル(平等主義・階級主義)について、その国の歴史や文化、習慣を背景とした違いを学びました。組織における意思決定の方法やリーダーとメンバーの関係性は国や地域によって大きく異なることを理解するとともに、多様なリーダーシップスタイルの特徴や、異文化環境で生じ得る意識的・無意識の偏見(バイアス)への向き合い方についても理解を深めました。

チームビルディングのセッションでは、グーグル合同会社に勤務する本学卒業生のミン・グエン(Minh Nguyen)氏と日本ミシュランタイヤ株式会社の諸林 孔明氏がゲストスピーカーとして参加しました。両氏の実体験に基づく日本企業とグローバル企業の比較や、企業におけるAI活用の事例、さらには多様な環境の中で自身の能力を最大限に発揮し、目標を実現するための考え方やヒントについて学びました。

ミン氏、諸林氏によるゲストセッションと質疑応答

最終発表セッション

最終日には、6グループがそれぞれ世界各国の著名なリーダー2名と、身近なリーダー1名を取り上げて事例研究を行い、相違点やリーダーシップに必要な要素について分析した成果を発表しました。
各グループは著名なリーダーとして、孫正義(ソフトバンクグループ創業者)、ジョージ・ワシントン(米国初代大統領)、森保一(サッカー日本代表監督)、吉田昌郎(元東京電力福島第一原子力発電所長)、宮崎駿(アニメーション監督)、ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ(WTO初の女性・アフリカ出身事務局長)等を取り上げ、それぞれのリーダーシップスタイルについて、具体的な事例や実績に基づいて分析しました。これらのリサーチをもとに、自らがリーダーとなった場合を想定し、異文化環境において効果的に機能する組織運営の仕組みを提案しました。

最終プレゼン後ピザで打ち上げ

最後に、本科目で得た学びを今後のキャリアにどのように生かしていくかについて具体的に発表し、互いに共有しました。また、授業終了後も教員から一人ひとりに対して、学びや成長に関する個別のフィードバックが行われます。
オンライン講義を経て初めて対面で顔を合わせる際にはやや緊張した様子も見られましたが、クラス内外でのグループワークなどを通じて、多様な文化的背景を持つ参加者との交流を深めました。オンラインと対面を組み合わせた講義を通して、場所にとらわれない国際協働の在り方を実践的に学ぶ機会となりました。


アントレプレナーシップ教育機構グローバル教育実施室では、引き続き、ジョージア工科大学に約2週間滞在しリーダーシップについて学ぶ短期留学プログラム「ジョージア工科大学リーダーシッププログラム」を、2027年3月に開催する予定です。今後も世界の企業、大学、研究機関、国際機関など、さまざまな分野で活躍できる人材の育成を目指し、実践的かつ国際的な視点を養うカリキュラムを企画・提供していきます。

アントレプレナーシップ教育機構 グローバル教育実施室