東京科学大学(Science Tokyo)生命理工学院の基礎生物学教室は、春休み期間中の3月28日に、中学生以上を対象とした科学教室「棘皮(きょくひ)動物の不思議な世界2025」を大岡山キャンパスで開催しました。今回で6回目となる本科学教室は、東京科学大基金を活用した日本再生プロジェクト事業およびAirTrunk社の後援を受けて行われました。
棘皮動物とはウニ、ヒトデ、ナマコの仲間で、ヒトが属する脊椎動物に比較的近縁であるのに5角形をした変わった動物です。当日、参加者は実際にウニ、ヒトデ、ナマコに触れ、棘皮動物のデザインを学びました。

主な観察と実験の内容は以下の通りです。
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ヒトデとウニの起き直り行動の観察
イトマキヒトデとムラサキウニを逆さまにひっくり返し、起き直り行動が決まったパターンで起こるかどうかを観察しました。また、ヒトデの縄抜けも観察しました。 -
生きたニセクロナマコの管足、触手の観察
管足も触手も、棘皮動物に独特の水管系と呼ばれる器官系の器官です。 -
ウニの裸殻(らかく)とアリストテレスのランタン(咀嚼器)の観察、ランタンの3D模型の観察
ウニの殻やアリストテレスのランタンが5放射相称をなすことを確かめました。また、3Dプリンタで作製したランタンの拡大3D模型にも触れ、ランタンのCGも観察しました。 -
ウニの叉棘(さきょく)を使った観察と実験
叉棘とは一部の棘皮動物に見られる独特の器官です。ウニの叉棘は開閉する3本の爪を持つ、ピンセット状の器官です。生きたムラサキウニの殻を実体顕微鏡で観察し、叉棘を見ました。また、機械的刺激を与えたときに叉棘の爪が開閉する様子も観察しました。
参加者は、生きた棘皮動物に直接触れたり化石を含む棘皮動物の標本を見たりすることで、棘皮動物の変わった体制や、その独特の器官についての理解を深めました。
基礎生物学教室では今後も地域の方々、とりわけ若い人たち向けの科学教室を予定しています。次回のイベントを楽しみにお待ちください。
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