東京科学大学(Science Tokyo)は、この度米国ハーバード大学医学部の関連医療機関であるブリガム・アンド・ウィメンズ病院(以下、BWH)[用語1]と共同で、医用デバイス開発の教育研究を行っていくことで合意しました。

医工連携を深化させ、医療と工学を横断する人材育成やイノベーションエコシステムの構築を推進するために、東京科学大学は、BWHと2025年4月1日に共同研究を開始しました。
国際共同研究の概要
東京科学大学は、2024年10月1日に東京医科歯科大学と東京工業大学が統合し、「『科学の進歩』と『人々の幸せ』とを探求し、社会とともに新たな価値を創造する」をミッションに掲げ、両大学のこれまでの伝統と先進性を生かしながら、これまでのどの大学もなしえなかった新しい大学の在り方の創出を目指しています。その中で、2024年度には日本医療研究開発機構(AMED)の「優れた医療機器の創出に係る産業振興拠点(スタートアップ支援強化枠)(研究代表者:東京科学大学 医療イノベーション機構 飯田香緒里教授)」に採択され、医工連携を深化させる機会を得て、国内外の機関との連携を進めてきました。
BWHはそうした連携先の1つであり、医工連携やそれに関わる人材育成において優れた成果をあげている機関です。なかでも、放射線科の波多伸彦教授がSurgical Planning Laboratory(Ron Kikinis創設、以下、「SPL」)で実践するプログラムは、医療者と工学者が一体となって医療機器開発に取り組み、その中で研究者を育て、社会実装を目指す革新的なものです。現在、このプログラムは人材育成と医療機器開発の両面で、国外の大学や企業から多くの人材を受け入れ、豊富な実績を有しています。
今回、東京科学大学とBWHが取り組む共同研究では、新たな医工連携によるイノベーションエコシステムの構築を目指し、医療機器開発の実践と、それに携わる大学や企業の研究者を中心とした人材交流・人材育成プログラムを含む「日本版SPLプログラム(仮称)」を企画・運営し、国際連携を強化していきます。この共同研究を通じて、新たなスタートアップの芽が生まれ、日米で協力して次世代の医工連携エコシステムが創出されることを期待しています。
波多伸彦教授のコメント
今回のプロジェクトでは、当院で培ってきた病院施設内での医用デバイス研究開発に基づいて体系化された人材育成教育プログラムを、日本の医工連携環境に適応させて実施します。受講者が取り組む開発テーマをもとに、専門のメンターがプロジェクト形式で指導を行います。最終的には、受講生の中から実際に開発された製品を米国市場に投入することを目指します。
用語説明
- [用語1]
- ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(BWH):ハーバード大学医学部の教育病院であり、マサチューセッツ州ボストンのロングウッド医療地区において最大の病院。
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