7月26日(日)から28日(火)にかけて、大竹尚登理事長及び森尾友宏理事がチリ大学(University of Chile)を訪問し、学術交流・研究協力のさらなる発展に向けた意見交換を行いました。7月27日(月)には、チリ大学中央本部において、Science Tokyoとチリ大学による包括的な協力協定(Memorandum of Understanding: MOU)の調印式が開催され、両大学の今後の連携強化に向けた新たな一歩となりました。
今回の協定締結は、旧東京医科歯科大学の時代から長年にわたり培われてきたチリ大学との交流を基盤とし、Science Tokyoとして両大学の強みを生かした学術・研究協力をさらに発展させるものです。特に、医学、工学、生命科学、データ科学などの分野における研究連携、研究者交流、学生交流、教育協力の推進を通じて、両大学間の協力関係を一層深化させることを目的としています。
チリ大学中央本部にてMOU調印式を開催
調印式に先立ち、チリ大学中央本部において歓迎レセプションが開催され、両大学の代表者および関係者による意見交換が行われました。
チリ大学のアレハンドラ・ミサラ学長は、東京科学大学代表団の訪問を高く評価するとともに、医学・工学をはじめとする学際的研究を通じた新たな知の創出への期待を表明しました。
大竹理事長は、今回の協定が両大学のみならず、日本とチリの科学技術・教育交流の発展にとって重要な一歩となることを強調し、今後さらに具体的な共同研究や人材交流を推進していく意向を示しました。
また、チリ大学医学部および工学部からは、研究者交流、学生交流、共同教育プログラム、医学・工学融合研究など、多様な分野での連携発展への期待が示されました。
調印式には、チリ大学からアレハンドラ・ミサラ学長をはじめ、医学部および工学部の主要関係者に参加いただいたほか、在チリ日本国大使館の曽根健孝大使、JICAチリ支所関係者にもご出席いただき、日本・チリ間の科学技術・教育交流のさらなる発展に向けた期待が示されました。
チリ大学国立天文台を訪問
7月26日には、チリ大学国立天文台(Observatorio Astronómico Nacional de la University of Chile)を訪問しました。
サンティアゴ市内のカルアン山に位置する同天文台は、1852年に設立され、チリにおける天文学研究・教育の発展を支えてきた歴史ある研究拠点です。訪問では、天文台の歴史や観測設備、南半球における天文学研究の特徴について説明を受け、チリが世界有数の天文学研究拠点となっている背景について理解を深めました。
医学部を訪問し、生命医科学研究施設を視察
7月27日には、チリ大学医学部を訪問し、医学部幹部との意見交換および研究施設視察を行いました。
医学部では、ミゲル・オライアン学部長をはじめとする関係者から、医学教育、研究体制、主要研究分野について説明を受けました。チリ大学医学部は、基礎医学、生命医科学、臨床研究、トランスレーショナル研究を幅広く展開しており、感染症、がん、高齢化、代謝疾患、神経科学など、国際的にも重要性の高い研究課題に取り組んでいます。
意見交換では、医学・工学連携の取り組みについて紹介があり、医療データ解析、AIを活用した研究、個別化医療、バイオエンジニアリングなど、東京科学大学が強みを持つ分野との連携可能性について活発な議論が行われました。
また、医学部内の複数の研究施設を訪問し、発生生物学、先端画像解析、分子・細胞生物学、感染症・ウイルス研究など、幅広い生命医科学分野における最先端の研究活動について説明を受けました。各研究施設では、基礎研究から臨床応用につながる研究まで、多様な取り組みが紹介され、今後の共同研究や研究者交流の可能性について意見交換を行いました。
在チリ日本国大使館を訪問し、日本・チリ間の科学技術交流について意見交換
同日には、在チリ日本国大使館を訪問し、曽根健孝大使との意見交換を行いました。
意見交換では、日本とチリの科学技術・教育交流のさらなる発展に向け、大学間連携、研究協力、今後の交流促進の可能性について議論を行いました。特に、医学・工学分野における共同研究や人材交流の推進、両国の長年にわたる友好関係を基盤とした新たな連携の可能性について意見を交わしました。曾根大使からは、2027年に迎える日本とチリの外交関係樹立130周年を契機として、これまで築かれてきた両国の友好関係をさらに発展させ、科学技術・教育分野における新たな連携を推進していくことへの期待が示されました。
工学部を訪問し、数理・データ科学・防災研究を視察
7月28日には、チリ大学工学部を訪問しました。
工学部では、スサナ・モンドシャイン学部長をはじめとする関係者との意見交換を行い、今後の研究協力や学生・研究者交流の可能性について議論しました。また、数理モデリング、化学工学、バイオテクノロジー、データ科学、防災研究など、幅広い分野の研究拠点を視察しました。
数理モデル研究センター(Center for Mathematical Modeling;CMM)では、数学的手法を用いた社会・自然現象の解析や、AI・データ科学を活用した研究について説明を受けました。また、日本の研究者が開発した問題解決型数学教育モデルを基に作成された小学校向け数学教材「Sumo Primero」が、チリの教育現場で活用されている取り組みについても紹介がありました。
さらに、化学工学・バイオテクノロジー・材料工学部門(DIQBM)では、持続可能なプロセス、バイオ技術、新材料開発に関する研究活動について説明を受けました。また、IDIA・ISCI研究センターでは衛星データを活用した地理空間情報解析やデータ科学の取り組み、国家地震センターでは地震観測網の運用や防災・減災に向けた研究活動について説明を受けました。
今回の視察を通じて、チリ大学工学部が進める社会課題解決型の研究や、産学連携・国際共同研究の取り組みについて理解を深めるとともに、Science Tokyoが強みを持つ工学、情報科学、生命科学分野とのさらなる連携の可能性について意見交換を行いました。
今後の発展へ向けて
今回の訪問を通じて、両大学は医学、工学、生命科学、データ科学などの分野において、研究者交流、学生交流、共同研究、教育協力をさらに発展させていくことで一致しました。
今後の具体的な取り組みとして、両大学の研究者間の交流を促進し、新たな共同研究テーマの創出を目的としたワークショップの開催も予定されています。ワークショップを通じて、がん研究、早期診断、感染症対策、災害対応などの分野をはじめとする両大学の強みを生かした研究連携の可能性を探り、共同研究や人材交流のさらなる発展につなげていきます。
Science Tokyoは、チリ大学との協力関係をさらに深め、両大学の強みを融合した国際共同研究や人材育成を推進していきます。
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