東京科学大学認定ベンチャー アンチキャンサーテクノロジズが国立がん研究センター支援プログラムに採択

2025年5月14日 公開

東京科学大学認定ベンチャーである株式会社アンチキャンサーテクノロジズ(以下「ACT社」)は、国立研究開発法人 国立がん研究センター 橋渡し研究推進センターが主催する、スタートアップ支援プログラム「国立がんセンターSeed Acceleration Program (NCC SAP)」の支援先として採択されました。
このプログラムは日本型のスタートアップエコシステムを作り出すことを目的としたもので、ACT社はその中でも最大の資金を提供される「S2タイプ(3億円/2年間)」に採択されました。

ACT社は2023年9月に創業した東京科学大学認定ベンチャーであり、本社を東京都千代田区に構え、代表取締役には西野輝泰氏が就任しています。
総合研究院 高等研究府の中山敬一特別栄誉教授の研究成果を基に、小細胞肺がんや膵臓がんをはじめとする難治性がんに対して、優れた薬効と低毒性を兼ね備えた新規抗腫瘍薬の開発を目指しています。
このたび、ACT社のシーズ化合物「ACT-001」がNCC SAPに採択されました。

中山特別栄誉教授

現在、小細胞肺がんに対してはシスプラチンなどのプラチナ系抗がん剤による薬物療法以外に選択肢がない状況ですが、強い毒性や薬剤耐性の出現といった課題があり治療もほとんど奏効しません。ACT-001は、がん細胞で特異的に発現する代謝酵素PPATを標的とする低分子化合物であり、マウスモデルではシスプラチンを上回る腫瘍移行性と殺細胞効果が確認されており、また、極めて低い毒性であることを確認しています。シスプラチン耐性がんに対する有効性も示しており、非常に期待される化合物となっています。さらに膵臓がんに対しても強い抗腫瘍効果があることが判明しています。
今回のNCC SAP採択を通じて、非臨床試験(GLP基準毒性試験:GLP-tox)および第I相臨床試験(P1)に向けた製剤開発と原薬製造を進め、将来的に小細胞肺がんをはじめとする難治性がんに対する新たな治療薬としての実用化を目指します。

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