東京科学大学(Science Tokyo)では、2016年度から実施している学士課程1年生向けの授業「科学・技術の最前線」の特別講義の動画を10月10日に公式YouTubeチャンネルで公開しました。特別講義は、6月4日、大岡山キャンパスの70周年記念講堂にて、本学卒業生であり、筑波大学名誉教授で2000年にノーベル化学賞を受賞された白川英樹先生による「知るということ~セレンディピティーと待ち構えた知性~」と題して開催されました。当日は約450人の学生が参加し、会場は熱気に包まれました。
この講義は、「科学・技術の最前線」の最終回として行われたものです。本授業では、各学院から推薦された第一線で活躍する教員による講義を週替わりで実施しており、ほぼすべての新入生が履修しています。その締めくくりとして毎年、白川先生にご登壇いただいていますが、今年は「科学・技術の最前線」の10年目の年であり、白川先生のノーベル化学賞受賞25周年という節目の年でもあったため、その講義を映像として残すこととしました。
白川先生の講義動画は、Science Tokyo公式YouTubeチャンネルでダイジェスト版とフルバージョンを公開しています。
学生に多くの示唆を与えた白川先生の講義
講義では、白川先生の幼少期から高校時代、東京工業大学での学生生活、そして導電性高分子の発見に至る研究の歩みが語られました。ノーベル賞受賞に至るまでの道のりは、科学の面白さと奥深さを伝えるだけでなく、学生たちにとって将来を考えるうえで大きな示唆を与えるものでした。
特に印象的だったのは、「異なる分野や考え方の人との交流の重要性」「教養の大切さ」、そして「偶然の発見を見逃さず、原因を追究し、さらなる発展につなげる姿勢の重要性」といったメッセージです。学生たちは真剣な表情で耳を傾け、講義後には多くの質問が寄せられました。その姿からは、白川先生のメッセージが深く心に響いたことがうかがえます。
「科学・技術の最前線」は、新入生が自身の将来像を描き、それに向けて大学での学びを主体的に考えるきっかけとなるよう設計された授業です。白川先生の講義は、その目的に沿うだけでなく、新入生にとっての心構えや励ましのメッセージを伝える、まさに締めくくりにふさわしい内容でした。
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更新履歴
- 2025年12月1日 本文の編集を行いました。
- 2025年10月14日 タイトルの編集を行いました。
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