2025年4月に物質科学と情報科学が融合した新たな複合系コース「物質・情報卓越コース」がスタート

2025年6月13日 公開

東京科学大学(Science Tokyo)は2025年4月、物質科学と情報科学を融合した新複合系コース「物質・情報卓越コース」を設置しました。本コースは、2019年4月に開始した卓越大学院プログラム「物質・情報卓越教育課程」を発展させた、博士後期課程学生を対象とする複合系コースです。これまで培ってきた教育プログラムをベースに、さらに革新的なカリキュラムを提供します。

新産業を創出する「複素人材」の育成

本コースでは、情報科学を駆使して複眼的・俯瞰的視点から発想し、新社会サービスを見据えた独創的な物質・情報研究を推進できる「複素人材」を育成します。「複素人材」には、持続可能な社会の構築に向けて、物質と情報を結びつけた新産業を創出することが期待されています。

「ものつくり」分野は日本の得意とするところですが、従来型のアプローチでは世界をリードし続けることが難しい状況です。一方で、データ科学、シミュレーション、機械学習といった情報科学の進展により、新物質の発見や材料設計が可能となりつつあります。また、市場に合わせたデバイスやプロセスの最適化、生産管理、消費者動向を踏まえた社会サービスの創出が求められる時代になりました。しかしながら、従来の物質研究は分子や材料、デバイス、プロセスといった階層ごとの考え方にとどまっており、社会サービスまで俯瞰する視点が十分に醸成されていないのが現状です。

この課題を解決するため、本コースでは分子から社会サービスまでを包括的に俯瞰した物質科学と情報科学の融合を目指す大学院教育を提供します。

図 「物質×情報=複素人材」育成を通じた持続可能な社会創造

本コースでは、プラクティススクールなど産業界と協働した産学協創教育により、社会サービスを見据えた実践的なスキルを養う環境が整っています。また、学生が経済的に独立して勉学に専念できるよう、奨励金やリサーチアシスタント給与による経済的支援も行います。

本コースのカリキュラムを通じて、物質科学と情報科学を駆使する次世代リーダーが誕生することが期待されます。

物質・情報卓越コースの詳細については、以下のページをご覧ください。

学生募集

物質・情報卓越コースでは、学生を募集しています。本コースの履修を希望される方は、進学前に履修資格審査を受ける必要があります。学内の方は修士課程1年から応募が可能です。

物質・情報卓越コースの経済支援やカリキュラム、学生募集についての詳細は以下のページをご覧ください。

会員企業募集

物質・情報卓越コースでは、「会員企業制度」という制度を導入し、企業の方々と共に産学協創教育を推進しています。

社会サービスの実装を見据え、地球規模の視野を持った、産業界が期待する卓越博士育成のため、会員企業から寄せられるアドバイスを教育やイベントの内容に反映させています。

さらに、会員企業の研究者の方々には、本コースの講義や演習に参加する機会も提供しています。この制度の活用によって、物質・情報の分野における次世代の人材教育を促進することができます。

本コースでは、参加会員企業を募集しています。
物質・情報卓越コースの会員企業制度についての詳細は、以下のページをご覧ください。

お問い合わせ

物質・情報卓越(TAC-MI)事務室
Email tac-mi@adm.isct.ac.jp