多文化間交流と異文化理解のための「フォト・ベースド・コミュニケーション&和紙の里フィールド・トリップ」を開催

2025年5月1日 公開

2月20日、東京科学大学(Science Tokyo) リベラルアーツ研究教育院 にほんご相談室が「フォト・ベースド・コミュニケーション&和紙の里フィールド・トリップ」を主催し、5人の教職員の引率のもと、留学生・日本人学生の33人が参加しました。本イベントは、埼玉県東秩父村の「和紙の里」を訪れ、日本の伝統文化を体験しながら異文化交流を深めることを目的に実施しました。美しい自然や歴史ある地域を巡り、和紙作りの技術を学ぶとともに、写真を活用したコミュニケーションを通じて、参加者同士が交流しました。

和紙の里研修会館前での参加者集合写真

当日は、大岡山キャンパスからバスで移動し、和紙の里に到着。オリエンテーションの後、自由時間を過ごしながら昼食をとりました。その後、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている和紙作りを体験し、和紙の原料や製作工程について学びながら、実際に紙漉きを行いました。参加者たちは伝統的な技術に触れることで、和紙がどのように作られているのかを理解し、紙の大切さを改めて実感したようでした。また、和紙で作られた美しい作品が展示されている環境を味わいました。

紙すきを体験する学生
和紙工房の多様な和紙を鑑賞する学生

午後には里を散策し、写真撮影を楽しんだ後、フォト・ベースド・コミュニケーションのワークショップを実施しました。参加者は、撮影した写真をもとにグループで感想を共有し、普段は見落としがちな細部に気づいたり、異なる視点から場所を捉えたりする機会となりました。写真を使ったワークショップに取り組んで対話を進める中で、新たに友達同士になった参加者もいたようでした。

フォト・ベースド・ワークショップで自身の撮った写真を紹介する学生

自由時間には、和紙の里の広い敷地内を散策し、地元の方々との交流も生まれました。直売所や和紙作り工房では、英語と日本語を交えながら地域のお年寄りの方々と会話を交わし、普段の生活ではなかなか出会えないような人々との親睦の機会となりました。また、伝統的な古民家が残る風景や、春には桜が咲く大きな木のある景色も印象に残ったようです。

最後に、現地の風景や体験を振り返りながらバスで大学へ戻り、フィールド・トリップは無事終了しました。本イベントを通じて、参加者は日本の伝統文化に触れ、多文化間交流の大切さを実感する貴重な機会を得ることができました。

フィールド・トリップ参加者の感想

参加者が英語で書いた感想を日本語訳して紹介します。

  • ワークショップの際、写真を共有してコミュニケーションをすることで、それまで気づかなかった細かい部分に気がつき、訪れた土地をより深く理解することができました。
  • 伝統的な日本家屋は本当に素晴らしかったです。これまでにもいくつか同様の日本の伝統的な家を訪れたことがありますが、和紙の里は特に温かみと家庭的な雰囲気が保たれていると感じました。
  • スーパーや和紙作りの場所で地元のお年寄りの方々に会いました。皆さんとても親切で、話しかけると協力的に接してくれました。とてもフレンドリーでした。
  • 留学生にとって和紙の里のような場所を訪れて日本文化を楽しむ機会はなかなかないため、貴重な体験になりました。田舎の自然の美しさはとても魅力的ですが、自分たちでこうした場所に行くことや、伝統的なワークショップを知ることは難しいので、今回のフィールド・トリップは、先生方の案内のおかげで本当に素晴らしいものになりました。

にほんご相談室担当教員のコメント

今回初めてこのフィールド・トリップを開催しました。たくさんのScience Tokyoの学生が参加し、紙漉きや散策、他の留学生や日本人学生との交流を楽しんでくれていたようでとてもうれしく思います。今後もこのようなフィールド・トリップを開催し、学内の多文化間交流を促進していきたいと思っています。にほんご相談室では、今回のフィールド・トリップをはじめ、学内外で様々なイベントを開催していますので、留学生も日本人学生も、異文化体験(日本文化体験)や多文化間交流に関心のある方は、ぜひ参加してみてください。

にほんご相談室とは

にほんご相談室は、定期的な支援活動として、日本語での会話練習(申し込み不要)、個人チュートリアル(予約制、日本語学習に関するアドバイスや文章添削)、日本語自習テーブル(申し込み不要)などの支援を行っています。また、留学生の日本語での会話練習のサポートなどを通し留学生の日本語学習を支援するランゲージパートナーズの育成を行っています。

にほんご相談室は大岡山キャンパス留学生ラウンジで毎週水曜日・木曜日(12:40~14:00)、2023年度からは、すずかけ台キャンパスにほんごきょうしつでも開室しています。
これらの他に、年ニ回のウェルカムコーヒーアワーズを含め、留学生向けに日本語や日本の文化を紹介するさまざまなイベントや活動を行っています。2024年度は延べ792人が来室しました。

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リベラルアーツ研究教育院 日本語・日本文化セクション
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