東京科学大学(Science Tokyo)は3月4日、大岡山キャンパス西9号館ディジタル多目的ホールおよびオンラインのハイブリッド形式で、基礎研究機構の2024年度成果報告会を開催しました。
基礎研究機構は、最先端研究領域を開拓する基礎研究者の育成をミッションとし、旧東京工業大学に2018年に設置されました。世界をリードする最先端研究分野である「細胞科学」「量子コンピューティング」「有機化学」の3分野からなる専門基礎研究塾と、各学院から推薦された新任助教が3ヵ月間研鑽を積む広域基礎研究塾で構成されています。
今年度の成果報告会は、大学統合後初の開催となり、2024年度の活動報告に加えて、これまでの取り組みを紹介し、会場およびオンラインを合わせ、100人を超える参加者が集まる催しとなりました。
セミナー&座談会
第一部は、宍戸厚機構長による開会の辞から始まり、塩見みづ枝文部科学省研究振興局長からのあいさつの後、大竹尚登理事長が「Science Tokyoの目指す大学の姿」と題した講演を行いました。



大竹理事長は、「Science Tokyo構成員と執行部とのコミュニケーションの場として開催したタウンホールミーティングでは、さまざまなご意見をいただいているが、若手研究者の意見が多くない。積極的かつ気軽に意見を出してもらうことが大学の未来につながるため、若手研究者の声をぜひ、大学へ届けてほしい」と述べました。
続いて、塩見研究振興局長、大竹理事長、田中雄二郎学長、波多野睦子理事・副学長(研究・産学官連携担当)による座談会が開かれ、宍戸厚機構長によるモデレーションのもと、新しい人材育成のあり方について会場参加者と意見を交わしました。

(左から)波多野理事・副学長、大竹理事長、塩見研究振興局長、田中学長
塾長と塾生による活動報告
第二部では、各塾長(大隅良典塾長、西森秀稔塾長、鈴木啓介塾長、穐田宗隆塾長)による基礎研究塾の活動報告が行われ、伊能教夫副機構長からは広域基礎研究塾の入塾効果について報告がありました。





続く第三部では、広域基礎研究塾生2人、専門基礎研究塾生1人、広域基礎研究塾修了生2人の、計5人が活動報告を行いました。塾生からは、基礎研究機構の支援が新たな研究への第一歩を後押ししたこと、活動を通じて心の中にありながら言語化できていなかった思いをテーマとして深めることができたこと、海外派遣を通じて得たつながりが共同研究へと発展していること、そしてかけがえのない仲間を得ることができたことなどの報告がありました。
質疑応答も活発に行われ、仁科博史総合研究院長による閉会の辞により成果報告会は盛況のうちに終えました。






ポスター発表
成果報告会終了後に行われた学内限定のポスター発表会場では、塾生だけでなく、今後連携が進む医歯学系の若手研究者からも発表があり、44件のポスターを前に熱心な議論が交わされました。このイベントは、新しい交流がより活発に進む絶好の機会となり、今後の基礎研究機構の展開やScience Tokyoの将来について意見を交わしました。

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